地震報道で話題「悪石島」での暮らしはどんなものか→銀行も病院も飲食店もない、島民《全員顔見知りの島》で小学校教師が暮らした5年間
ちなみに、小さな島では、どれかひとつの仕事に就くというよりも、いろんな生業を複数行っている人がほとんどだ。漁業をしながら宿の運営をしたり、畜産をしながら畑もするなど、島の人たちは皆とてもよく働く。

漁師の和則さんは、民宿「十和丸」も営む。楽君が宿の看板づくりを手伝っている様子(画像提供:片野田隆紀)
悪石島で4男誕生「子どもは島の宝」
悪石島に赴任して1年後、2018年に片野田家では4男の円君が誕生した。片野田家は6人家族に。

生後1カ月の円君と、島民が「出産祝いに」と持ってきてくれたタイ(画像提供:片野田隆紀)
「島の人たちは『子どもは島の宝』といった感覚が強くて、妊娠中から食事の差し入れをいただいたり、生まれた後は何かと気にかけて手伝ってくれました」
特に島の野菜「ハンダマ」は鉄分豊富で妊婦に良いとされ、キッシュなど食べやすい形で差し入れてもらったという。

はんだま。沖縄や奄美でもよく食べられている野菜。石川県では「金時草」として知られている(筆者撮影)
離島は何でもすぐに揃う土地ではない。でもなんでも自分たちで自給自足してしまう人たちばかりだ。円君の1歳のお祝い「餅踏み」用の餅は和則さんが作ってくれたという。

円君と和則さんは大の仲良しに(画像提供:片野田隆紀)
さらに、授業参観日や春の遠足、入学式、卒業式などの学校行事にも島民が積極的に参加して子どもたちと関わる。
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