動画視聴回数では実は参政党に肉薄、それでも自民党の「YouTube戦略」が失敗に終わった決定的要因
もちろんすべてが参政党シンパの動画ではないが、動画の中で触れてもらえれば、新興政党にとってはそれだけで認知を上げる効果があるはずだ。参政党の英語表記は「Party of Do It Yourself」だそうだが、まさに一般ユーザーの自主制作動画の力が大躍進につながったのだ。
もちろん、参政党の公式チャンネルも1988万回と非常に多い視聴回数をたたき出していた。「参政党必勝ガチチャンネル」という切り抜き専門チャンネルもあり、参政党本体のチャンネルと相乗効果をもたらしていた。
一方通行で終わった自民党のYouTube
一方、自民党の公式チャンネルには「日本を動かす 暮らしを豊かに」というタイトルの動画があり、この動画だけで視聴回数は862万回に達していた。自民党の動画がYouTubeでこんなに視聴されているのを不思議に思うだろうが、これは広告で回している可能性が高い。
YouTubeの動画は、個別に広告費用を投じて視聴回数を稼ぐことができる。動画を見るとき、強制的にCM動画を見せられるのと同じ仕組みだ。30秒のテレビCMフォーマットなので、広告会社が制作したのだろう。
ただ、エビリー社が選挙期間中に発表した政党チャンネルのデータ(対象は7月3日〜11日に投稿された動画)では、参政党の動画の平均エンゲージメント率(「いいね」とコメント数を足した数値)が9.5%だったが、自民党の動画は0.9%しかなかった。
参政党の動画は見た人がたくさんレスポンスするが、自民党にはほとんどない。自民党の動画は強引に見せるだけの一方通行だったということだ。SNS選挙では、双方向性を生まないと意味がないことがわかる。
(後編に続く)
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