「ちはやふる」からひも解く カルタで養った集中力で京都大学に首席で合格した筆者が「集中力は技術」と断言するワケ
人間は「やらない理由」を見つけるのがすごく上手なので、努力を継続するためには、そういう弱い気持ちと戦っていく必要があります。
相手に純粋に勝ちたいと思う気持ち、団体戦として仲間と共に勝ちたいと思う気持ち、自分を成長させたいと考える気持ち、相手をリスペクトする気持ち……。
さまざまな気持ちが交錯し、絡み合って、勝負のシーンが描かれています。 これらは決して、漫画的な表現として使われているだけではありません。実はこの「気持ち」というのは、競技カルタをする上で、勝つために必要な「戦略」だと言っていいのです。
心理学も証明している「気持ち」の力
「気持ちが大事」なんていうと、「なんの科学的根拠もない、精神論じゃないか」と感じる人も多いかもしれません。
が、しかしこれは科学的にも根拠のある話なのです。 近年、「気持ち」という言葉でくくられていた概念を、「個人の考え方・モノの見方」と定義づけして「マインドセット」という言葉で表現することが多くなり、心理学の中で研究されるようになってきました。 有名な研究のひとつに、心理学者キャロル・ドゥエックの研究があります。
「成長マインドセット」(努力次第で能力が伸びると考える思考)を持っている人は、困難な課題に直面しても粘り強く取り組み、集中し続ける傾向があるのに対して、「固定マインドセット」(能力は生まれつき決まっていると考える思考)を持っている人だと、うまくいかないとすぐに諦めやすく、集中が途切れやすくなることが科学的に証明されたのです。
集中とは、自己と向き合い、自分自身が目の前のことに没頭する瞬間のことを指します。他の誰でもなく自分の、心の問題としての「集中」が存在するわけです。
そうであるならば、むしろ精神状態・気持ちと呼ばれるものが集中に影響を与えないと考える方が不自然だと思いませんか? 集中というのは、気持ちによって作られるものなのです。
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