「ちはやふる」からひも解く カルタで養った集中力で京都大学に首席で合格した筆者が「集中力は技術」と断言するワケ
競技カルタは、お金をかけて戦うものではありません。全員がアマチュアで、趣味でやっていることですが、それでも人生を懸けて戦っているものなんです。 だからこそ、カルタをやめる理由は簡単に見つかってしまいます。「仕事が忙しくなってきたから」とか、カルタは脳も耳も体も使うので「なんか体が疲れて……」とか、「他にやりたいことあるしなあ」とかで、簡単にやめてしまえるものです。
実際、高校から大学へ、大学から社会人へというタイミングで、カルタから離れる人というのは非常に多い中で、ずっとカルタを好きでいつづける人、かつ「勝ちたい」と思いつづけられる人が競技カルタの世界に残っているのです。そういう意味で、競技カルタには気持ちが大事なんですね。
私自身、年齢を重ねていく中で、「最後は気持ちだ」ということに気づけました。小中学生の頃に同じことを、そんな抽象的なこと言われてもピンと来なかったと思います。年を重ねてきた今だからこそ、好きでいつづけること、努力をつづけることにも「気持ち」が必要なんだと実感しています。
年を重ねて大人になると、どうしても「負けて悔しい」という気持ちが薄くなってきてしまいます。「楽しくやれたらいいや」というのも、もちろんカルタの形の一つではあるのですが……。 この「気持ち」という部分にも、コントロールするための技術があります。 本番だけ「勝ちたい」と思っても、うまくいきません。先ほども申し上げたように、本気でやらなくていい理由がすぐに見つかってしまうからです。
だからこそ、「勝ちたい」という気持ちを前もって準備していけるかどうかが大事なのです。 練習をめちゃくちゃ頑張るのもでもいいですし、家族に協力してもらうのでも、周りの人に応援してもらうのでもいいです。誰かの気持ちを背負うことで、諦めずに最後まで頑張ることができます。
気持ちを“コントロールする技術”
「勝ちたい」という気持ちがあれば、練習の質も上がります。それに、強い気持ちで練習に取り組んだ方が、練習も楽しいです。 これは、カルタ以外にも言えることです。運動も、勉強も、何事も「最後は気持ち」です。
気持ちの強い人がすごくて、気持ちの弱い人がダメなのではありません。自分の気持ちを強く保って努力を継続することにも、技術があるのです。
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