【夏ドラマ序盤の通信簿】春に続き不作?今年の「夏ドラ」が冴えない背景。《注目4作》は阿部サダヲ、中村アン、磯村勇斗、櫻井翔のあの作品
日曜劇場『19番目のカルテ』はまだ1話しか放送されていないが、総合診療医という主人公の特性を際立たせる描写がコテコテで、前期『キャスター』の主人公を引き立てるための都合のいいストーリーと重なる。
ただ、本筋となる、患者の生き方そのものに手を差し伸べることをテーマにする人間ドラマは、日曜劇場らしい、心を揺さぶられながらも心温まるようなストーリーになることが期待される。
夏ドラマで最も注目したい作品がコレ!
そんな夏ドラマで注目したいのは4作。まずはダントツでおもしろくなりそうなのが、阿部サダヲと松たか子がワケあり夫婦を演じる『しあわせな結婚』(テレビ朝日系)。
いかにもいそうなタレント弁護士・原田幸太郎(阿部)と、ちょっと変わり者の私立高校美術教師・ネルラ(松)が夫婦になる、和やかな日常系ドラマかと思わせる出だしだったが、1話のラストで急展開。ある秘密を抱えたまま結婚したネルラの過去と、原田の人生が交錯する骨太なサスペンスになりそうだ。
夫婦役の阿部サダヲと松たか子それぞれの存在感が、噛み合わなさそうな夫婦の日常に溶け込み、その生活ぶりだけで引き込まれる。そして、何気ない日常の裏に潜む秘密と2人の過去の謎から目が離せなくなる。
数々の名作を生み出してきた大石静氏のオリジナル脚本だけに、芯のある重厚なサスペンスが期待される。ラストに流れる主題歌のOasis「Don’t Look Back In Anger」が、壮大なストーリーが待ち受ける大作感を醸し出している。

日常系でいきなり心を掴まれたのが、中村アンと小澤征悦がW主演する『こんばんは、朝山家です。』(テレビ朝日系)。
本作は、国民的ドラマを手がける脚本家の夫・賢太(小澤征悦)と、彼を売れない頃から経済、精神の両面で支え、家事も育児も担ってきた妻・朝子(中村アン)を中心にする4人家族の物語だ。
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