「よかれと思って……」が裏目に 「部下同士の人間関係のトラブル」をより悪化させる、上司の“NG行動”をリーダー育成家がズバリ指摘
──では、例えば、部下同士がギクシャクしているようなとき。どう対処するのがよいのでしょうか?
「まずは、双方の言い分を個別にヒアリングして事態を把握するのが基本です。そのうえで、今度は2人から同時に話を聞きます。でも、そのときも、リーダーがやってはいけないNG行動があります。モメている2人に、直接に話をさせないことです」
──つまり、「2人っきりで心ゆくまで話し合って」……はNG。では、どうすればいいのでしょう?
2人を「メディエーション」するのがリーダーの役目
「2人の会話の間に入って、『メディエーション(mediation)』するのです」
──メディエーション?
「『調停する』という意味です。具体的にはこんな感じ。
(Aさんが、君に対して、こういう感情を持っているのだけれど、それに対して、Bさんはどう思う?)
(私としては〇〇です)
(そうか、〇〇だと思うんだね。Aさんは、今のBさんの言葉を聞いて、どう思った?)
(〇〇ですね)
(なるほど、〇〇と思うんだね。Aさんの言ったことについて、Bさんはどう?)
このように、すぐ目の前にいても、AさんとBさんに直接話をさせず、必ず、間に入って交通整理をしてあげるのです」
──そうすると、どんな効果があるのですか?
「まず、AさんとBさん、2人の感情的な衝突を避けられます。そして、リーダーが片方の言葉を復唱している間に、もう1人は、相手の言葉を頭のなかで反芻し、相手にも一理あるなとか、冷静な判断ができるようになるのです」
──2回同じ話を聞く間に、熱くなっていた頭が冷えると。
「そうです。さらに、当事者の2人だけでなく、職場の同僚たちも交えて話し合うのなら、2人の話の折り合いがついてきたタイミングで、“みなさんは、2人の話を聞いてどう思いましたか?”と、周りの人にも話を振ります。こう聞けば、“2人は〇〇という点ではぶつかっていますけど、〇〇という点では考えが一致していると思います”など、第三者の建設的な声も取り入れることもできます」
──『相手の話をよく聞かず、カッコいいアドバイスをしようとしてしまう』『モメている2人に直接、話し合いをさせてしまう』。両方とも、リーダーが、ついやってしまいがちなNG行動ですが、意識的に気をつけていきたいものです。
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