「よかれと思って……」が裏目に 「部下同士の人間関係のトラブル」をより悪化させる、上司の“NG行動”をリーダー育成家がズバリ指摘
「この会話には、次のような問題点があります。
1『上司が部下の話をまったく聞こうとしていない』/2『いいやつなんだけどね……と、上司が自分の見解を述べている』/3『上司が自分の過去の体験の話を始めている』」
──なるほど、確かに。
「これらの問題点の根本は、後輩や部下から相談されると、つい“参考になる、カッコいいアドバイスをしよう!”と思ってしまうことにあります。その結果、相手の話をよく聞きもしないで、会話の主導権を奪い取り、自分の過去の体験を語ってしまう……」
相談されたとき、アドバイスよりも有効なこととは?
──でも、相談をされているのに、アドバイスをしないなら、どうすればいいんですか?
「そもそも部下は、『アドバイスが欲しい』というよりは、まず、『共感を求めている』のです。ですから、ベストな対応は『復唱』なんです。
具体的には、“そうか、A先輩が苦手なんだね”、“A先輩は、話しかけるなオーラが強いんだね”と、相手の言葉をなぞるのです」
──うーん。理屈はわかりますが、復唱するだけだと、何も解決しないような……。
「気持ちはわかります。私のセッションでも、よく出る疑問です。でも、この復唱によって得られる“共感”を経てはじめて、部下はリーダーのアドバイスを聞く気になるのです」
──アドバイスの前に、『共感』ありきだと。
「はい。それに、上司の復唱に対して、“そうなんですよ!”と、気持ちよく話をするうちに、頭が整理されて、部下が自分自身で問題に向き合えるようになるんです。そうすると、“A先輩が忙しくないときに、腹を割って話してみます”なんて、自分で解決策に気がついて、アドバイスの必要もなくなることもしばしばなんです」
──なるほど、答えは相手の胸のなかにありですね。共感しつつ、それを引き出してあげればよいと。目からウロコです。
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