学校や病院ではどう対応?夫婦・親子・姉妹で名字が違う“別姓ファミリー”の暮らしのリアル。”事実婚”後14年経った現在の心境も聞いた

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橘さんも同じ思いだ。

「普段、私たちが家族として暮らしていて、別姓であることで家族の絆が不安定になると感じたことはまったくありません。当事者ではない人が、どうして想像で実際に生活している人のことを決めつけるのか、不思議で仕方がありません」

さらに、「私たちが夫婦別姓を選んで結婚生活を送ることで、誰かを不幸にしたり、困らせたりするのでしょうか」と疑問を呈した。

“選択的”であることが重要

選択的夫婦別氏制度(いわゆる選択的夫婦別姓制度)の導入が検討されているなかで、お二人が当事者として、世の中に知ってほしいことを聞いた。

「世の中では、改姓をするとさまざまな手続きが煩雑になったり、仕事上の支障が起きるという理由から、現在の夫婦同氏制度は違憲であるという訴訟が起きています。

ただ、それは問題の本質ではないと私は考えます。婚姻によって姓を変える側がアイデンティティーを喪失するという人権上の問題だと思うのです。

もちろん、結婚して相手と同じ姓になることで、家族になったと感じる方もいらっしゃいます。だから、あくまでも“選択的夫婦別姓制度”にしてほしい。もし“絶対に夫婦別姓にしなければいけない”という法律であれば、私は支持しません。

でも、夫婦同姓にしたい人が多いからといって、別姓にしたい人たちにも同姓にすることを強制する必要はないのではないか。その正当性はどこにあるのかと、私には疑問です。

以前、テレビ番組に出演した際に、夫婦別姓のわが家と、夫婦同姓で家族4世代で農業を営まれているご家庭を比べられて、『どっちのほうがいいと思いますか?』と議論されていました。でも私は、どちらか一方だけを選ばせるのではなく、どちらもできるようにするのが、選択的夫婦別姓制度だと思います」(水口さん)

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