学校や病院ではどう対応?夫婦・親子・姉妹で名字が違う“別姓ファミリー”の暮らしのリアル。”事実婚”後14年経った現在の心境も聞いた
子どもたちから別姓の理由を聞かれたときは、言葉でしっかりと説明しているという。
「『パパとママの名字が違うのは、事実婚して別姓にしているからだよ』と幼い頃から話をしています。『よそのおうちは大体同じ名字だけど、うちは違うんだよ』と。それ以上深く聞いてくることもなかったので、すんなり受け入れていたように思います」(橘さん)
姉妹でも別姓だが、幼い頃は公園などで遊んでいると、次女が友達に「私は水口〇〇、お姉ちゃんは橘〇〇なんだよ」とフルネームで自己紹介することがあったくらいで、それを嫌がっている様子はなかったという。父方、母方の祖父母と姓が違うことも認識しているが、違和感はないそうだ。
「生まれたときから今の形なので、本人にとって当たり前になっているのだと思います。名字のことでお友達にからかわれたという話も具体的に聞いたことはありません」(水口さん)
わが家のかけがえのない風景
「家族というアイデンティティー」を理由に、自民党の山下貴司元法相は夫婦別姓に後ろ向きな見方を示した。「家族のアイデンティティー」とは本来、個人的で多様なものであり定義することは難しいが、実際に別姓の夫婦であるお二人はどう感じているのか。
水口さんは、「夫婦同姓ではないと、家族としてのアイデンティティーが失われるというのは、単なる想像にすぎない、フィクションだと思う」と言い切る。
「現在、夫婦同姓を法律で義務付けている国は世界で日本だけです。別姓になると家族としてアイデンティティーが弱くなるのなら、日本以外の国の家族は一体感がないのかと、不可解に思います」(水口さん)
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