
東京都中野区鷺宮の住宅街にある画家、三岸節子のアトリエだった建物。都内でも希少な戦前のモダニズム建築だが、あまり使われない状態で放置され一時は解体寸前に。
それをなんとか残したいと孫娘の山本愛子さん15年以上、奮闘を続けてきた。2014年には「三岸家住宅アトリエ」として国指定の登録有形文化財にもなっているが、後世へ残していくのは簡単ではない。

「場所貸し」に見出した活路
「保存活動をしている人たちは『貴重なものだから残さないと。2000万円あったら改修できるんじゃないですか』とは言うものの、だからといってお金を出してくれるわけでも、お金の稼ぎ方を教えてくれるわけではありません。
八方ふさがりの状態にあった2012年にたまたまある勉強会で知り合った人を介して2013年に出会ったのが現在、空き家の掲示板『家いちば』を運営する藤木哲也さんです」(山本さん)
空き家問題に関心のある人ならご存じかもしれない。「家いちば」は2015年にサイトがオープン、空き家の所有者が良いも悪いも含めて家を紹介、直接欲しい人とやりとりすることで不動産の流通を促すというもので、初期にはゼロ円物件なども多く、話題になったものだ。

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