銀座の中心部が初の「空室ゼロ」、インバウンド増加や円安効果で業績好調の高級ブランドが相次ぎ出店

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その近隣では、ヒューリックなどが建て替えを進める銀座コアに、キーテナントとしてセリーヌとモンクレールが入居を検討しているようだ。北側の2丁目で建て替えが進む銀座貿易ビルにも、エルメスとディオールが一時出店を検討していた。

中央通り以外でも、高級ブランドが開業を控える。交差する晴海通り沿いに建つヒューリック数寄屋橋ビルには、2023年に撤退したカジュアルブランドのGAPに代わり、カルティエが大型店を出す。時計店が立ち並ぶ並木通り沿いで三井不動産が3月に取得した丸源31ビルには、スイスの高級ブランドグループであるリシュモン系のブランドが内定した。

高級ブランドの日本事業が絶好調

高級ブランドの出店攻勢を支えるのが、日本事業の好調さだ。

「日本は2桁成長だった」。高級ブランドを多数抱えるフランスのLVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)が1月に発表した2024年12月期決算。地域別で最も収益が伸びたのは日本だった。中でもファッション・革製品部門は「素晴らしいパフォーマンスを見せた」と褒めそやした。

ティファニー銀座
7月11日に「旗艦店」として開業したティファニー銀座(記者撮影)

ほかの高級ブランドグループも日本事業は絶好調。リシュモンは「3年連続、地域別で最も高い成長率を記録した」、グッチなどを擁するフランスのケリングも「力強い成長が目立った」と、それぞれ決算で解説している。

各社の日本事業は、コロナ禍の2020年度を底に回復基調をたどっていた。そこに折からのインバウンド需要や円安が重なり、昨年度は歴史的な好決算となった。LVMH、リシュモン、ケリングの世界3大高級ブランドグループにとって、日本は「アジア」ではなく国単体で収益が管理されるほど数少ない重要な市場だ。

銀座の躍動を支えてきたインバウンドは、2025年に入っても過去最高を更新し続けている一方、一部の高級ブランドでは日本事業が「頭打ち」となっている状況もみられる。東洋経済オンラインでは、特集「躍動する銀座」で、銀座の活況ぶりと今後の動向を詳報していきます。

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一井 純 東洋経済 記者

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いちい じゅん / Jun Ichii

建設、不動産業の取材を経て現在は金融業界担当。銀行、信託、ファンド、金融行政などを取材。

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