日本はすでに「外国人が働きたい国」ではない…。外国人問題を語る人が知らない残酷な現実

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とは言え、自民党政権はこれまで一貫して移民政策をとってこなかった。「『骨太の方針2014』では、『外国人材の活用は移民政策ではない』として、移民に頼ることなく50年後に1億人程度の安定的な人口構造を維持することが閣議決定された。けれども、その後の合計特殊出生率の推移は1億人シナリオの仮定数値を大幅に下回っている(日経新聞、「移民、政策のいま、下、現実直視し、社会統合を進めよ」2024年8月8日朝刊より)」。

同記事の中では「主要国の移民統合政策指数」を紹介しているが、日本は56カ国中35位となっており、統合なき受け入れグループに分類されている。56カ国を中心に、差別禁止や国籍取得、永住資格、政治参加、保険、教育、家族結合、労働市場といった8つの分野で167の政策指数を評価したものである。

ちなみに、同じく人口減少に悩む韓国は、フランスや英国と並んで18位。在韓外国人処遇基本法や多文化家族支援法を制定して、社会統合プログラムを実施している、と指摘している。

アメリカの移民排斥、成長率押し下げの要因に

移民政策と言えば、これまで数多くの移民を受け入れ、常に人口増加を続け、世界一の経済大国に成長したアメリカがそのシンボルだった。実際に24年の段階で、アメリカの労働力人口の19.2%が外国生まれだとされている。トランプ政権が誕生したことで、現在は移民排斥に大きく傾いており、アメリカの新規入国者数は2025年には、対前年比で247万人~276万人減るとされている。

約2割の移民が支えているアメリカ経済にとって、トランプ大統領の移民排斥政策は、どういう結果をもたらすのか。アメリカン・エンタープライズ研究所(AEI)の予測によると、トランプ政権が進める強硬な移民排斥によって、2025年のGDPは成長率が0.31~0.38ポイント低下するとしている。純移民は最悪でマイナス 52万5000人となると試算している(日経新聞、米の移民排斥 成長率0.3ポイント押し下げ、25年7月4日夕刊)

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