日本はすでに「外国人が働きたい国」ではない…。外国人問題を語る人が知らない残酷な現実

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問題は、これからの労働人口の減少をどうカバーしていくかだが、現実問題として、日本の場合は、将来の経済を担っていく「若年人口」の少なさが際立っている。例えば、国連の推計による15歳未満の若年人口を見てみると、日本は特に少ないことがわかる。同じく国際労働比較2024のデータを見ると、2030年時点の若年人口比率は、日本は他国に比べて低いレベルである。

●フィリピン…… 28.0%
●インドネシア…… 22.5%
●インド……22.3%
●メキシコ…… 20.9%
●ブラジル…… 18.2%
●スウェーデン…… 16.1%
●フランス……15.9%
●ロシア…… 15.4%
●ドイツ…… 14.0%
●中国……13.1%
●イタリア…… 11.0%
●日本……10.7%
●韓国……9.3%

30年続いた低成長経済の原因の1つが少子高齢化であることは疑う余地は無いだろう。その背景には、移民を積極的に導入してこなかったことも、その原因のひとつと言っていいだろう。

移民政策なき経済成長は可能なのか?

こんな状況の中で、これまで自民党は、人口全体に対して一定の制限を加えることなく移民を受け入れるような移民政策はずっと拒否してきた経緯がある。2024年6月に成立した「改訂入管法」によって、人口減少や労働力不足に対応した「技能実習制度」がなくなり、「育成就労制度」を新設し、それまでの単純労働の受け入れから方向転換を遂げた。

今後、団塊の世代を中心とする高齢者世代が、労働人口から離れ、亡くなっていくことを考えると、現在の経済規模を守るのであれば、外国人労働者の受け入れをもっと上げていく必要に迫られる。AI(人工知能)などイノベーションの進捗によって、労働不足を担えるという考え方もあるが、労働力不足はGDPを大きく減らし、個人消費も大きく影響を受ける。経済の衰退が通貨の弱体化を生み、財政破綻も覚悟しなければならない。

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