東洋経済オンラインとは
ライフ #“聖地”巡礼 あの名作の舞台地を訪ねて

『謎解きはディナーのあとで』の舞台地は、なぜ国立だったのか? 「ミステリーが起こる街」に“必要な条件”

9分で読める
  • 古関 和典 ロケ地研究家、コンテンツツーリズム研究家
2/5 PAGES
3/5 PAGES
4/5 PAGES

中でも『天河伝説殺人事件』は、1991年に映画化もされました。

同作は奈良県の天川村が舞台地となっています。ロケは別の場所でも行われたようですが、当時から現在まで、この作品の舞台地を訪ねようと天川村を訪れるファンが多く集いました。

現在も、美しい自然と修験道文化の残る里として、洞川温泉街を中心に、主として関西圏からの行楽地となっています。

天川村の温泉街へ続く通り(筆者撮影)
渓谷沿いに広がる洞川温泉街(筆者撮影)

湯川が降り立つ「玻璃ヶ浦駅」、実は…

そして、現代の人気ミステリー作家である東野圭吾さんの作品の舞台地も、緻密に計算しつくされています。

福山雅治さん主演の映画『容疑者Xの献身』(2008年)では、都営地下鉄新宿線の浜町駅近くにある「浜町公園」、近隣の「清洲橋」などが、事件のカギを握る堤真一さん演じる「石神」の通勤ルートとして登場します。

また、途中に立ち寄る、松雪泰子さん演じる「靖子」の勤めるお弁当屋さん「みさと」は、当時実在していた店舗がロケ地として登場しました。

『容疑者Xの献身』の石神の通勤ルートとして登場した「清洲橋」(筆者撮影)
「靖子」の勤めるお弁当屋さんも店名は違うものの、過去には実在していました。写真は2018年当時のもの(筆者撮影)

また、それに続く映画『真夏の方程式』(2013年)では、印象的な海岸沿いの旅館が登場します。ここは現在も静岡県・西伊豆の堂ヶ島崎温泉で営業している「五輪館」という旅館です。

宿の外観はもちろん、宴会場や室内でもロケが実施されており、原作に忠実な「玻璃ヶ浦」の世界観を味わえます。

また、近隣の松崎町や南伊豆町一帯でもロケが行われました。ただし、ここ西伊豆には鉄道が通っておらず、福山さん演じる「湯川」が降り立つ「玻璃ヶ浦駅」が撮影されたのは、遠く離れた愛媛県松山市の伊予鉄道の終着駅「高浜駅」でした。

映画『真夏の方程式』の中で「玻璃ヶ浦駅」として登場した伊予鉄道の「高浜駅」(写真:まさくん/PIXTA)

次ページが続きます:
【東野作品「雪山シリーズ」で使われた雪山】

5/5 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ライフ

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象