どちらの駅も、公開から50年以上経った今でも変わらない雰囲気で、ミステリーファンを喜ばせています。特に亀嵩駅では、作品でも登場した「出雲そば」が、駅弁となって現在でも販売されています。
ちなみに、ここ奥出雲町では、2024年放送のTBS日曜劇場『VIVANT』の撮影も行われ、再びロケ地として脚光を浴びたことは記憶に新しいです。

「トラベルミステリー」の名作に登場する舞台地
「旅」とミステリーの掛け合わせで、「トラベルミステリー」のジャンルを数多く世に出した功労者は、「十津川警部シリーズ」(小説は1973年〜、テレビドラマは1979年~)で有名な西村京太郎氏でしょう。
十津川警部との亀井刑事との名コンビで、日本の各地を舞台にした難事件を解決するシリーズです。民放各局によってドラマ化され、ここで登場する数々のロケ地にいつか行ってみたい、と思った視聴者は筆者だけではないでしょう。
シリーズの代表作として知られるのは、『終着駅(ターミナル)殺人事件』です。あの『名探偵コナン』の作者・青山剛昌氏も、この作品をおすすめとして挙げています。
1980年に刊行された当時、「終着駅」といえば何といっても青森駅。現在では東北新幹線の新青森駅に代わってしまいましたが、上野発の多くの夜行列車が到着し、青函連絡船に乗って北海道に向かう旅人を迎え入れるこの駅は、『津軽海峡・冬景色』でも歌われる、日本を代表する終着駅でした。
また、同じくトラベルミステリーの双璧ともいえ、同様に各局によってドラマ化されたのが、内田康夫氏による「浅見光彦シリーズ」(1987年~)です。


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