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カフェ、パン、クレープ、バターまで! 新業態が軒並みヒットする「ゴディバ」。ヒットの理由と、上陸から50年以上経ってもずっと人気なワケ

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商品勉強会もしばしば開催されており、新製品が出れば試食して、「自分の言葉でおすすめできるようにする」トレーニングも随時実施している。こうした姿勢がチョコレートの品質とともに、顧客の安心感と信頼感につながっているのだ。

ゴディパンでは従来の高級感を取り払い、親しみやすい接客が行われている(写真提供:ゴディバ)

楽しみ方と、楽しむ人の輪を広げる挑戦を

2020年からはじまった新業態、ゴディバ カフェ、ゴディパン、ゴディバ クレープ、そしてゴディバターの業績はいずれも好調だ。特にカフェは、連日行列の人気ぶり。関東で9店舗を展開するまでに成長し、2025年2月には関西に出店を果たした。ブランドを変えての「日常使い」へのアプローチは、成功を収めたといっていいのではないか。

「Elevating my everyday(毎日を、ちょっと良く)」をコンセプトに設計されたゴディバカフェ 日本橋店(写真提供:ゴディバ)

むろん環境による市場変化による課題は、ゴディバだけが直面している課題ではない。チョコレート業界全体で、従来のチョコレートの枠を超えた商品開発が活発化している。「チョコレートは非常に面白い素材なんです」と奥村さんは微笑む。

「焼き菓子にしたりアイスにしたり、溶かしたらドリンクにもなる。他の素材との組み合わせによっても、バラエティ豊かな表情が楽しめるのが魅力です。だから気候の変化にも強いんです」

この言葉通り、多くのチョコレートブランドの商品が多様化しているそうだ。それに伴い、消費者のチョコレートの選択肢は格段に増えた。「これは高いけどちょっと自分のご褒美に買おう」「あれはみんなで分けるように買おう」と、用途とお財布事情に合わせて選べる幅が広がったのだ。

結果として、原料価格高騰の影響を受けながらも、チョコレート市場は大きなダメージを回避している。ただし、業界内の競争は激化している。

生き残りのために、マーケットのトレンドと日本の市場、生活スタイルの変化をよく観察しながら、「どこに機会があるのか」「どんなタイミングがいいのか」を中長期的に見極めていく構えだ。

「社内で議論を重ね、市場の流れに則ったチャレンジを続けていきます。そのなかで、チョコレートそのものの楽しみ方、楽しむ人の輪をもっと広げていきたい」と意気込む。

ユニークで記憶に残るゴディバターズのパッケージ(筆者撮影)

変化の激しい時代において、老舗ブランドがサスティナブルであるためには、時に自らのアイデンティティを一度解体し、新たな人格を創造する勇気が必要なのかもしれない。

【もっと読む】あのゴディバが密かに抱えていた《重大課題》。「ギフト市場の縮小」「暖冬」「日常使いしづらい」…他には? そして打ち出した打開策の実態 では、高級チョコレートブランドとして高い人気を誇る「ゴディバ」が密かに抱えていた課題と、それを乗り越えるための数々の挑戦について、ライターの笹間聖子さんが詳しく取材している。

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