なぜ「一石三鳥」はクラファンで5000万円を集められたのか? "飲食業界の風雲児"が明かす高利益率と従業員満足を実現する《脱常識戦略》の神髄
それを支えているのが、職人の技だ。職人にとって、高級店と比べても遜色のない同社の店舗の内装は、憧れのステージといっても過言ではない。加えて、成果に応じて高い給与をもらえることもあり、ミシュランガイド掲載店出身のシェフをはじめ、レベルの高い人材が自然とそろう。それがさらに付加価値を向上させ、多くの店の中から選ばれる店づくりにつながっている。

ただ内装を造り込むには、多額の資金が必要だ。飲食店にとって、いわば先行投資になるが、オープン後、ある程度集客できる見込みがないとなかなかできない。同社の場合、1店舗当たり5000万円近くかけて内装工事をすることもあるので、なおさらだ。
それを乗り越えて、力強い先行投資ができるのは、ファンをしっかりと獲得できているからだ。そのファンを獲得するため、クラファンの存在は欠かせない。
「クラファンは多くの写真や動画を使いながら、かなりの文量で情報を発信できます。通常のグルメサイトでは発信できない情報も発信できるため、潜在的な支援者の興味もひきつけることが可能です。当社の場合、自分たちのスタンスを示したうえで、なぜHuman Qreateという会社があるかを説明し、プロジェクトを行う理由や、購入後のメリットなどを伝えています。当社では2店舗目の出店からクラファンを活用しているので、応援した先がどんどん成長していくことを楽しんでくれている人も多いです」(米田社長)
同社では会員制度を運用しているが、現在、会員数は2万人を突破した。新店舗オープンの際は、会員にも告知を行っており、実際に来店する人も多い。また、焼き肉、すし、焼き鳥と多様な業態を幅広い価格帯で展開しているので、ニーズによって同社のブランドを使い分ける人もいる。こうしたファンの存在が同社の躍進を支えているのは間違いない。
米田社長があえて「殿様」を演じたワケ
クラファンの成功を語るうえで、米田社長の存在は無視できない。同氏は1991年生まれの33歳。インスタグラムも運用しており、現在2万4000人のフォロワーがいて、月間のビュー数は少ないときでも100万回に及ぶ。
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