なぜ「一石三鳥」はクラファンで5000万円を集められたのか? "飲食業界の風雲児"が明かす高利益率と従業員満足を実現する《脱常識戦略》の神髄
現在でこそ、飛ぶ鳥を落とす勢いで成長を続ける同社だが、創業してすぐの頃は大きな挫折も経験した。
会社を設立した当時、米田社長は店に泊まり込んで、一心不乱に仕事に打ち込んだ。しかし、手元に残るのは、わずかなお金しかない。利益率が数%の、典型的な飲食店の運営方法を採っていたのだ。
創業した2021年春頃は、まだまだコロナ禍の影響が強い時期だった。実際、同年4月には、いわゆる第4波の影響で、3回目の緊急事態宣言が発出されている。
そうした影響もあり、同社も最初は運転資金を集めるため、クラファンの活用を思いつく。しかし、それが大きな転換点となる。当時の状況について、米田社長はこう話す。
「このとき、クラファンを活用するために一度立ち止まったことが、その後の会社の成長につながっています。当時、クラファンをしようと思い立ったものの、何を書いたらいいのかまったくわかりませんでした。莫大な文章量も今ならすんなりと作成ができますが、当時はお手上げ状態だったのも事実です。しかし、何も書けないことで逆に、何のためにビジネスをして、どんなお店を展開していきたいのかを考え直すきっかけになりました。そのうえで、どのように表現をすれば、多くの人の支持を集めることができるかを組み立てて、クラファンの活用を始め、想像以上の成果を残せました。その意味で、それを活用してよかったことは、資金のスムーズな調達よりも、原点に立ち返って自分たちの進むべき方向性や強みを再認識できたことだといってもいいでしょう」
挫折から見いだしたクラファン活用術
多くの飲食店がクラファンを行ったが、自店の存続を目的としたものが多かった。その中で、同社のクラファンのページは、次店の出店も予感させるようなストーリー性のある内容だったからこそ、多くの人の目に触れ、同社の躍進を支えるファンも獲得できた。

そのファンと切り開いてきた道は、今、世界へ続いている。同社が展開する焼き肉、すし、焼き鳥といった業態はインバウンドの人気も高く、日によっては海外の人だけで埋まることも珍しくない。Human Qreateの躍進はこれからが本番かもしれない。
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