なぜ「一石三鳥」はクラファンで5000万円を集められたのか? "飲食業界の風雲児"が明かす高利益率と従業員満足を実現する《脱常識戦略》の神髄

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SNSはもちろん、メディアに登場するときも破天荒でナルシスティックなイメージを発信しているが、それもすべて戦略にすぎない。その狙いについて、米田社長はこのように話す。

「メディアについていうと、これだけの情報があふれているので、何か工夫をしないとその他の情報に埋もれてしまうでしょう。私自身が広告塔としての役割を果たすからには、多くの人の目を引きつけなければなりません。そこで破天荒さやナルシスティックなイメージを売りにし、当社への興味を喚起しています。『江戸料理 一石三鳥』をオープンさせるときに行ったクラファンでは殿様の格好をして、馬に乗ったこともありますが、結果として1800万円を超える資金を集められました」

お金をかけて、社長自らが殿様になりきることで、このプロジェクトも大きな反響を呼んだ(写真:Human Qreate 提供)

インスタが生む「いい店」を作れる好循環

インスタの運用には、別の狙いもある。それがリクルートだ。

現在、飲食業界をはじめ、多くの業界が人手不足に苦しんでいる。そのため業界の垣根を越えた人材の獲得競争が起きており、会社を成長させるには飲食業界以外からも人材を獲得しなければならない。

そうした背景を踏まえて、米田社長のインスタグラムでは、通常の飲食企業の社長からはイメージできないスタイリッシュさを演出するとともに、成功哲学なども発信。それを通して、「自分も頑張ろう」や「ここでは働いてみたい」という気持ちを醸成している。

「面接に来た人の多くが、その企業や社長のSNSアカウントを調べていて、その内容を入社の決め手にするケースも多いです。現在、売り手市場ということもあり、求職者は2、3社の中から、どの会社にするべきかを決めています。当社では、私がインスタの運用に注力しだしてから、採用予定者のうち90%は当社を選んでもらえるようになりました。採用の辞退もほとんどないため、人手に悩まずに経営ができています」

同社は4年で14店舗を出店させ、急成長を遂げてきた。しかし、無理に出店をしてきたわけではない。ファンがいるから出店ができ、人手が確保できているからこそ、いい店が作れるという好循環が生まれているのだ。

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