飼い主の死後に起こる残酷で悲しい現実。遠野なぎこさん愛猫「愁くん」無事保護も…突きつけられた一人暮らしとペットの「もしも」の問題とは
この行動は、空腹に起因するものだけではなく、ペットが飼い主の顔を舐めたり、軽く噛んだり、意識のない飼い主を起こそうとする試みから始まるとのこと。
これは、飼い犬の大半は顔をターゲットにしていることから、当初から「食料」として認識していたわけではないと思われます。ただこの際の出血によって血の味を覚えることで、「食べる」という行為に発展する可能性があるようです。
一方、飼い主の遺体が腐敗し始め、生前の飼い主を特定する匂いが失われると、犬は飼い主と認識せず、遺体を食べるという行動に至ることもあるそうです。これは、ペットと飼い主の間に築かれた深い絆が、遺体の変化によって断ち切られるという、非常に複雑で悲しい現実を浮き彫りにしています。
そして、猫はより捕食的な行動を見せると、先の獣医師は話していました。
孤独死の現場でペットが長期間取り残されることは、彼らにとって想像を絶する苦痛と、このような本能的な行動を誘発する極限状態を生み出すおそれがあるのです。
生きて発見されたペットの行き先
遠野なぎこさんの愛猫「愁くん」のように、飼い主の死後に幸運にも生きて発見されたペットたちですが、その後は多くの課題を抱えています。
日本の民法上、ペットは「物」として扱われるため、飼い主が亡くなるとそのペットは故人の財産として相続人が相続することになります。しかし、相続人がペットの飼育を望まない場合、その行き先は非常に困難な問題となります。
かつては、飼い主に身寄りがいない場合や親族が引き取れない場合、保健所が引き取るのが一般的でした。しかし、2013年の動物愛護管理法改正以降、多くの自治体では原則として引き取りを行わない方針となっています。これは、飼い主の都合や環境を理由にペットの生存権を奪い、寿命をまっとうする機会を奪う、すなわち安楽死させるという状況の解消を目指したものです。
この法改正とペットの「物」としての法的地位が相まって、残されたペットに対する社会的なセーフティネットに大きな隙間が生じ、最終的に動物が処分される可能性も高まっています。
ただし、このような状況下でも、残されたペットの新たな飼い主を探す方法はいくつか存在します。
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