飼い主の死後に起こる残酷で悲しい現実。遠野なぎこさん愛猫「愁くん」無事保護も…突きつけられた一人暮らしとペットの「もしも」の問題とは

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最も理想的なのは、故人の親族や友人が引き取ることです。ペットが慣れ親しんだ環境に近い場所で、知っている人に引き取られることで、心理的な負担を軽減できます。

かかりつけの動物病院に相談することも有効です。近年では、ペットの里親探しに積極的に取り組んでいる動物病院も増えています。

インターネット上の里親募集サイトやSNSを活用して、新たな飼い主を探す方法もあります。これらの方法は費用をかけずに多くの人に情報を届けられるメリットがありますが、残念ながら、引き取り手が見つかる保証はありません。

高齢や病気を抱えるペットなどは、老犬ホームや老猫ホームといった専門施設に預ける選択肢もあります。これらの施設は有料で費用は施設によって異なりますが、専門的なケアを受けられるという利点があります。利用の際は、第一種動物取扱業の登録のある施設か確認することが重要です。

最終手段として、動物愛護団体やNPO法人に相談する方法もあります。これらの団体はボランティアによって運営されていることが多く、受け入れ可能な頭数や健康状態による制限がある場合があります。無料で引き取ってくれる場合もありますが、寄付が求められるケースもあります。

新たな環境への移行は、ペットにとって大きな心理的負担を伴います。新しい飼い主は、ペットが抱えるであろう悲嘆や環境変化によるストレスを理解し、忍耐強く接する準備が必要です。

「もしも」の事態に備える

遠野なぎこさんのケースが示したように、飼い主が「もしも」の事態に備えることは、愛するペットの命と未来を守るうえで不可欠な責任です。特に一人暮らしの飼い主にとっては、日頃からの準備が何よりも重要となります。

◆信頼できる預け先の確保と意思表示

重要なのは、万が一の際に大切なペットを託せる人を見つけておくことです。家族、友人、近所の人など、日頃からペットと関わりがあり、信頼できる人に事前にしっかりと相談し、引き受けの意思を確認しておくことが不可欠です。

口頭での約束だけでなく、その意思を書面に残しておくことも非常に重要です。例えば「ペットメモ」のような形で、ペットの情報を詳細に記録し、引き受け手への要望を明記しておくことが推奨されます。

◆財産面での備え(ペットの終生飼養を支える仕組み)

ペットを託す相手が見つかったとしても、その後の飼育にかかる費用は大きな負担となります。ペットの終生にわたる飼育費(餌代、医療費、その他雑費など)を試算し、財産面での備えをしておくことが、ペットの安定した生活を保障するために不可欠です。

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