「母はパチプロで貧しい家庭でした」「月給9万円で名刺1000枚を配り…」“怖い話”で280万人超から支持される人気YouTuberの《数奇な半生》

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ほかの家に生まれていたら、もっと楽しい学生時代を送れたのかな、と考えたことも一度や二度ではないのだそう。ただ、悩んだところで現実は変わらないし、明日はまたやって来る。いまの環境でベストを尽くそう、というマインドに自然と変わっていったのだ。

結果、ときにケンカはしても、とても仲がいい、愛情あふれる家族でいられているという。

ちなみに母親には、たっくーさんのYouTubeが伸び、大きな収益が入ってきたときに一言、「勝った! これで働かないで人生ゴールまで行ける」と言われたことを苦笑しながら明かした。

たっくー
逆境をはねのけ、「怖い話」というジャンルを開拓し続ける、たっくーさん(写真:今井康一撮影)

社会貢献をしないと生きている意味がない

たっくーさんは2019年、悩み相談を受け付けるSNSアカウントを開設した。これは若い女性が飛び降り自殺をしたというショッキングなニュースを受け、悩んでいる人が気軽に相談できる場所を作りたい、と強く思ったのがきっかけだった。

開設初日にいきなり3000件以上の相談が届き、その後も増え続けているという。時間の許す限り、たっくーさん自身が返信をしているそうだ。

こういった活動の先に、いつか学校を設立したいという目標がある。その理由をこう話す。

「社会貢献をしないと生きている意味がないと、昔から思っていたんです。『誰かのため』を考えや行動の軸にしないと、生きている理由がわからなくなってしまう。だから、大きな目標として学校をつくりたいんです。自分が死んだ後も誰かの役に立つものを残したい、そう決めて活動すれば、迷うことやブレることはなくなるのかなと思っていますね。そういう性格なんですよ」

YouTube配信の際の滑らかなDJ調とは違い、たっくーさんはときに言葉を選びながら、丁寧に質問に答えてくれた。

YouTuberとしてのサクセスストーリーだけではなく、貧しかった家庭環境や失敗の数々にも向き合い、受け入れてきたからこそ、今の彼がある。だからこそ、かつての自分のように困っている人や悩んでいる人に寄り添い、できる活動を続けている。

普段配信する「怖い話」という、おどろおどろしい内容とは一見、繋がりがなさそうにも思える理想。しかし、どんな怖い話にも「人」が関係してくる。たっくーさんはこの世の者も、そうでない者も、人が好きなのだ。

後編では、【空前の「怖い話ブーム」…令和になぜ「ヒトコワ」「陰謀論」にハマる人が増えているのか? 火付け役の人気YouTuber・たっくーが明かす“その正体”】をたっくーさんが語ります。

肥沼 和之 フリーライター・ジャーナリスト

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こえぬま かずゆき / Kazuyuki Koenuma

1980年東京都生まれ。ルポルタージュや報道系の記事を主に手掛ける。著書に『究極の愛について語るときに僕たちの語ること』(青月社)、『フリーライターとして稼いでいく方法、教えます。』(実務教育出版)。東京・新宿ゴールデン街の文壇バー「月に吠える」のオーナーでもある。ライフワークは愛の研究。

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