「母はパチプロで貧しい家庭でした」「月給9万円で名刺1000枚を配り…」“怖い話”で280万人超から支持される人気YouTuberの《数奇な半生》

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100万円もらえるなら当面の生活費は何とかなる……と提案を受け入れたが、ふたを開けてみると、月9万円ずつ、1年間かけての分割支給だった。しかも、困窮している実家のために、その9万円のうちの半分は家に入れていたので、残額で生活しなければならなかった。

退路を断ってYouTubeにかけることを求められたため、別のアルバイトをすることもできず、当時はジュースすら気軽に買えないほどだったという。

「朝7時には事務所に行き、夜中1時ぐらいまでずっと動画編集の勉強をして、1日1本は必ず動画を作っていました。僕をYouTubeに誘った元上司は教えてくれるでも手伝ってくれるでもなく、『後は任せた』みたいな感じで。作った動画を元上司に確認してもらい、どこがよくて何がダメなのか指摘を受ける。そんな毎日を送っていました」

たっくーさんが初めにしたのは、「人気のあるYouTube」を検証すること。当時からトップYouTuberだったHIKAKINさんのスタイルを真似て商品紹介や料理などの動画を投稿していった。

人気YouTuberが派手な髪色にしているのを真似て、自分も同じように染めた。それに加え、芸人時代によく披露していたターミネーターのモノマネなど、持っている武器をすべてぶつけていったが、再生回数も登録者数もまったく伸びなかった。

たっくー
月給9万円の下積み時代を送っていた(写真:今井康一撮影)

会社の赤字は元上司がギャンブルで補填

登録者数を増やすために、元上司から言いつけられて名刺を1000枚刷り、駅前でひたすら配ったこともある。1000枚渡して、その場で登録してもらえば、登録者数も1000人増える、という理論だった。

「確かに、一時的に登録者は増えたんですよ。YouTuberたちは何でこれをしないんだろう、と思っていましたが、いま思うとそういうことじゃないだろうと(苦笑)。動画が面白くて登録してもらわないと意味がないですよね」

元上司はたっくーさんのYouTube活動のために、法人まで立ち上げていた。なぜそこまで期待をかけていたのか。実は一緒に働いていた頃からたっくーさんの仕事ぶりを見て、その能力を買っていたからだった。

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