≪アディーレ法律事務所≫「殺人事件を防げなかったのは“まったく不可解”」企業の人事担当者が口々に疑問を呈する組織体質の異常さ
となると不思議なのが、今回アディーレが事件を未然に防げなかったこと。
多くの人事部門担当者が事件について、「不明点が多いので断定的なことは言えませんが」と前置きしつつ、「事件を防げなかったのは、まったく不可解」(商社・輸送機・エネルギー・IT)と感想を漏らしていました。
渡辺容疑者は、以前から芳野さんに強い殺意を持っていたようで(「殺そうと思ったわけではなく痛みを味わわせたかった」と供述していますが)、6月上旬に「人を刺して刑務所に行く」と知人に話し、知人から連絡を受けた渡辺容疑者の父親が警視庁四谷署に相談していたことが判明しています。
渡辺容疑者の異変に周囲は気づいていたはず
これだけの騒動があれば、アディーレも事情を把握していたはずです。仮にアディーレが事情を知らされていなかったとしても、人事部門担当者が渡辺容疑者と芳野さんの人間関係の悪化に気づいたはずです。
仮に人事部門担当者が気づかなくても、職場のメンバーが気づいたはずです。気づいたら、人事部門に知らせるか、ホットラインで外部専門家に通報するはずです(ホットラインの社外窓口を請け負うことが多い法律事務所では、社内でもホットラインがちゃんと機能しているはずです)。
人事部門担当者が渡辺容疑者の異常を知ったら、渡辺容疑者を出社停止にするか、芳野さんを別のオフィスに異動させるといった対応をしたはずです。そうすれば、今回の事件は起こらなかったはずです。
こうした多くの「はず」が「はず」のままで終わり、痛ましい事件になってしまいました。この状況について、アディーレの組織の体質を問題視する意見がありました。
「人事部門も職場のメンバーも、渡辺容疑者の異常に無関心だったということでしょうかね。当社では、ちょっと考えられません。どの会社でも起こり得る事件というわけではなく、ちょっと異常な体質の会社でしか起こらない悲劇だと思います」(精密)
アディーレのように、当たり前の「はず」が「はず」のままであり続けるということがないでしょうか。企業関係者は、改めて組織の体質を見直したいものです。
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