黙っているから何も考えていないわけではない。「ありがとう」より大事なZ世代が話してもいい、と思える声かけ
ちなみに、「ありがとう」と言ってもらえるのももちろんうれしいのですが、Z世代にとってより響くのは、「助かったよ」「おかげで進めやすくなった」自分の行動が具体的にどう役立ったのかが伝わる言葉です。“誰かの力になれた”という実感が、次の発言への勇気を育てていきます。
実は人間関係にアツい期待がある
Z世代が「発言してみよう」と思える背景には、「この人のために」「このチームに貢献したい」という思いもあります。つまり、人とのつながりも、Z世代の頑張る理由になるのです。
一見すると、Z世代は職場の人と仕事以外で関わりたくなさそう、飲み会やランチに消極的でドライ、といった印象を持たれがちです。しかし、冷めているように見えて、実は人間関係に熱いところがあります。誰と、どんな思いで働くのか。そこに納得できるかどうかで、発揮できる力が大きく変わってくるのです。実際に、「この人のために頑張りたいと思えるとき、自分でも驚くくらい動ける」「チームとして動いている実感があると、気づいたら自然に120%になっている」といった声が、ワークショップでも多く聞かれました。
ただ、その火がつくきっかけが、「叱られたくない」「迷惑をかけたくない」という“遠慮”によって埋もれてしまっていることもあります。だからこそ、まずは少しずつ関係性を築き、声をかけ、リアクションを返していく。 その積み重ねが、信頼につながり、Z世代の背中をそっと押すことになるのだと思います。
本コラムでは、Z世代とのコミュニケーションのなかで得られた“リアルなヒント”を紹介しました。もちろん、読者の皆さんがZ世代のことばかりに気を配れるわけではないと思います。常に期待を込めた言葉をかけたり、丁寧に関わったりする余裕がない日もあるはずです。それでも、ほんの少しの歩み寄りが、私たちにとっては想像以上に大きな意味を持つことがあります。
仕事の手順や評価制度と同じくらい、「人との関係づくり」が働く動機になっている。そんな視点も、これからのコミュニケーションにそっと加えてもらえたらうれしいです。
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