黙っているから何も考えていないわけではない。「ありがとう」より大事なZ世代が話してもいい、と思える声かけ
こうした場面で、Z世代が「話してもいい」と感じられるようになるには、“声のかけ方”が非常に重要です。次のように視点を指定した問いかけは、発言の大きなきっかけになります。
●「現場で手を動かしてくれている○○さんの目線で、違和感なかった?」
このように、視点や役割を明示してもらえると、発言のハードルがぐっと下がるという声が多くありました。
またZ世代が特にうれしいと感じるのは、「あなたの意見が聞きたい」と、個人に向けた期待を伝えられることです。こうした声かけによって、「自分はちゃんと見られている」「この場で期待されている」という実感が生まれます。
「自燃型」「他燃型」「不燃型」という言葉があります。Z世代はまだ若く、社会経験が浅いため、自分自身で目標を見つけてモチベーションを高める「自燃型」は少ない傾向にあります。その一方で、「助かった」「ありがとう」といった感謝の言葉を受けることで貢献できたという達成感を得て、それをモチベーションに変える「他燃型」が多いようです。つまり、「やれ!」と言われて頑張るより、「信じてるよ」「期待してる」と言われて火がつくタイプなのです。
Z世代にとって、「期待されていること」があらかじめ見えているかどうかも、大きなポイントになります。「自由にどうぞ」と言われるよりも、「こういう視点で聞いてみたい」と具体的に伝えられると、自分に何が求められているのかがわかり、発言しやすくなります。「この観点について、一番詳しいのは〇〇さんだから」などと、自分の存在意義が見える声かけが、行動につながっていきます。
「その意見、助かったよ」が次の発言を生む
Z世代が発言するときには、実はかなりの勇気を必要としています。こんな内容でよかったのかな、期待されていた役割を果たせたかなと、発言の後は若い社員ほど、ドキドキしながらフィードバックを待っています。だからこそ、発言した内容に対してリアクションがあるかどうかが、次も発言しようと思えるかどうかの分かれ道になります。
たとえば、発言内容に対して、「なるほど、そういう考え方もあるんだね。参考になったよ」といったポジティブなフィードバックがあると、「自分の意見が役に立った」と実感できます。
逆に、反応が薄かったり、否定されたりすると、「やっぱり話さなきゃよかったかも……」と感じてしまうのです。仮に、意見の内容が少しズレていたとしても、「その部分は合ってるけど、ここは違うかもしれないね」と丁寧に返してもらえると、安心してその後も発言できるようになります。
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