作家の桐野夏生氏が喝破「夫婦同姓は理不尽なシステム」、選択的夫婦別姓が実現しないのは「国が家族を規定するという非合理な考えがある」

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――別姓を選択できるようにするだけで、同姓を名乗りたい人には不利益がありません。なぜそれでもよその夫婦が別姓を選べるようになることに反対する人たちがいるのでしょう。

国を構成しているのは個人なのに、万世一系ではありませんが、家族単位が国を構成しているという考えがあるのでしょうね。

企業も以前は家族制度に近いところがありました。社長を頂点としてみんなが滅私奉公。女性社員は奥さん候補で、25歳くらいで寿退社してゆく。今は家族の形態は多様です。だから国が家族を縛ってはいけないのです。

――桐野作品では壊れた家族や夫婦を多く描いてきました。

『OUT』は、壊れた家族から女の人が飛び出して1人で生きていく話でした。それから30年で日本社会は基本的に変わっていません。女性はどうしても家族制度に組み入れられてしまう。夫婦同姓の問題で揉め抜く夫婦の末路を書いてもいいかもしれないですね。その方がリアルでしょう。

東洋経済オンライン有料版記事の特集記事「選択的夫婦別姓の袋小路」では、関連記事もご覧いただけます。「選択的夫婦別姓『賛成59%』でも埋まらぬ"分断"」「【ルポ】同姓強制社会が夫婦に強いる過酷な現実
田中 理瑛 東洋経済 記者

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たなか りえ / Rie Tanaka

北海道生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。ゲーム・玩具、コンテンツ、コンサル業界を担当。以前の担当は工作機械・産業用ロボット、医療機器、食品など。趣味は東洋武術。

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