もう「中小企業が潰れる」は通用しない! “最低賃金の引き上げ”は減税よりも効果的な経済政策だ

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近年の倒産件数の増加を懸念する声もあります。東京商工リサーチによると、2024年の倒産件数は1万0006社で、2021年の6030社より大きく増えています。しかし、これは1998年以降、歴史的に見て異常な低水準で推移してきたものが、やや正常化に向かっているに過ぎません。

現在の倒産率は企業数全体の0.29%にすぎず、1960年代以降の平均0.61%を大きく下回っています。企業は生き物ですから、生まれて成長し、いずれはなくなっていくものです。企業の倒産は経済の新陳代謝を促す側面も持ち合わせており、件数が極端に少ない状態が必ずしも健全とは言えないのです。

なぜ商工会議所は「最低賃金引き上げ」に反対なのか

日本商工会議所の反対意見については、その立場を理解する必要があります。

同所は労働者ではなく、あくまで中小企業経営者の利益を代表する団体です。したがって、人件費の増加につながる政策に反対するのは、その立場からの当然の主張(ポジショントーク)と言えます。それによって日本経済がどうなるかは、二次的な要素なのでしょう。

事実、日本商工会議所の反論は、かなり恣意的になっていると感じます。

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