もう「中小企業が潰れる」は通用しない! “最低賃金の引き上げ”は減税よりも効果的な経済政策だ

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近年の倒産件数の増加を懸念する声もあります。東京商工リサーチによると、2024年の倒産件数は1万0006社で、2021年の6030社より大きく増えています。しかし、これは1998年以降、歴史的に見て異常な低水準で推移してきたものが、やや正常化に向かっているに過ぎません。

現在の倒産率は企業数全体の0.29%にすぎず、1960年代以降の平均0.61%を大きく下回っています。企業は生き物ですから、生まれて成長し、いずれはなくなっていくものです。企業の倒産は経済の新陳代謝を促す側面も持ち合わせており、件数が極端に少ない状態が必ずしも健全とは言えないのです。

なぜ商工会議所は「最低賃金引き上げ」に反対なのか

日本商工会議所の反対意見については、その立場を理解する必要があります。

同所は労働者ではなく、あくまで中小企業経営者の利益を代表する団体です。したがって、人件費の増加につながる政策に反対するのは、その立場からの当然の主張(ポジショントーク)と言えます。それによって日本経済がどうなるかは、二次的な要素なのでしょう。

事実、日本商工会議所の反論は、かなり恣意的になっていると感じます。

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デービッド・アトキンソン 小西美術工藝社社長

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David Atkinson

元ゴールドマン・サックスアナリスト。裏千家茶名「宗真」拝受。1965年イギリス生まれ。オックスフォード大学「日本学」専攻。1992年にゴールドマン・サックス入社。日本の不良債権の実態を暴くリポートを発表し注目を浴びる。1998年に同社managing director(取締役)、2006年にpartner(共同出資者)となるが、マネーゲームを達観するに至り、2007年に退社。1999年に裏千家入門、2006年茶名「宗真」を拝受。2009年、創立300年余りの国宝・重要文化財の補修を手がける小西美術工藝社入社、取締役就任。2010年代表取締役会長、2011年同会長兼社長に就任し、日本の伝統文化を守りつつ伝統文化財をめぐる行政や業界の改革への提言を続けている。

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