2025年に世界1位を獲得した「ニッケイ料理」とは? 「世界のベストレストラン50」から見るレストランの「いま」

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Maidoの料理とシェフ
2025年に世界1位となった「Maido」の料理(左)とシェフで日系2世のミツハル“ミチャ”ツムラさん(写真:The World's 50 Best Restaurants)

Nigiri(にぎり)、Yakimeshi(ヤキメシ)、Misoshiro(味噌汁)……。

これらは、2025年に世界1位となったレストランで、実際に出されていた料理の名前だ。

東京から約1万5000km、地球でいえば日本のほぼ真裏といっていい南米ペルーの首都リマにある「Maido(マイド)」。ペルー国内で最も知られたニッケイ料理の人気店だ。

「世界のベストレストラン50」2025年のランキングが6月に発表され、ラテンアメリカのランキングでこれまで4度にわたり1位を獲得した有名店が、2025年はついに世界で1位を獲得した。欧米以外の地域から世界1位が出たのは、2023年の「セントラル」(ペルー)以来2度目となる。

シェフは日系2世のミツハル“ミチャ”ツムラさん。日本人移民の子息であるツムラさんは、料理をアメリカや大阪で学び、28歳のときリマで「マイド」を開業した。21歳で調理師学校を卒業するまで、日本を訪れたことはなかったという。

世界1位を獲得した「ニッケイ料理」とは?

ニッケイ料理(コミーダ・ニッケイ)とは、19世紀から20世紀にかけてペルーに渡った日本人移民が、現地の素材と日本の調味料や調理技術を融合させた結果生まれた日系ペルー料理だ。

代表的な例として、魚を生で薄切り(刺身風)にし、レモン汁と唐辛子を効かせた「ティラディート」や、寿司に現地の唐辛子(アヒ・アマリージョ)などをかけた「ニギリ・アセビチャード」などがある。味噌や昆布、出汁もペルー食材と組み合わされ、現地風味の味噌汁や料理のベースとなる。

醤油も、日本料理での使い方とかなり異なる。「マイド」でも、アマゾンの魚の照り焼きスタイルの料理を出すなど、醤油は、ペルーでは食材の味を引き立てるためにローカライズされたうま味やコクを足す食材として定着している。

【写真】ランキングの表や受賞したレストランの料理など(8枚)
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