ブラックだけじゃない!「ホワイトすぎて退職」する若者たち 部下が辞めたときに「上司が意識すべき事」とは?

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厳しいことを言うようですが、上司がきちんと業務をしている姿を見れば、早急に辞めるという判断はしないはずです。もしかすると、上司自身からも「ラクして今日をやり過ごせばいい」という雰囲気が醸し出されていたり、成長しようとしない姿が見られたりして「このままこの会社にいても……」と若い世代が思ってしまうこともないわけではありません。

ある会社の採用担当から聞いた話ですが、最近、中途採用の面接時に同じような質問をされることが多いとのこと。それが、「御社に入社すると、どんな研修がありますか」というもの。

このような質問をすると、意欲的な人材だと思われやすいのです。もしかすると、キャリアコンサルタントからのアドバイスを受けている人が多いせいかもしれません。  

これは、若い世代の「私をどう成長させてくれますか」にとても似ています。

今は転職のハードルが低くなっています。ですからみなさん、転職の先の転職を見ています。いざ転職するときは、自分の武器になるものが1つでも増えていることが大事になります。だからこそ、研修でどんなスキルが身に付くのか、“選んでやっている感”が出てしまうのです。

部下が辞めていっても気にしない

部下が辞めてしまったら、理由はどうあれショックですよね。入社後すぐに辞めてしまったり、LINEで退職を申し出たりするといったケースも聞きます。自分の指導法が悪かったのかもしれないと、反省してしまう管理職の方もいます。

まずお伝えしたいのは、反省する必要はないということです。上司であるあなたが明らかにハラスメントをしたとか、部下が辞める直接的な原因を作ったならまだしも、そうでないのであれば、「気にしないで」と言いたいです。

最近、こんなケースがありました。部下にプレゼンをまかせていたのに、当日プレゼンに来ることなく、そのまま辞めてしまったそうです。その管理職の方は、「私の対応が悪かったのでしょうか……」と落ち込んでいらっしゃいました。

もう少しくわしく話をお聞きすると、その方は、良かれと思って部下に口出ししないでいたそうです。部下にもプライドはあるだろうし、あえて介入せず、自主性にまかせていたのです。でも今思えば、その部下にとって、プレゼンの荷はあまりにも重すぎたのでしょう。

このケースで言うと、この管理職の方と辞めていった社員は、接点がなさすぎました。良かれと思って部下の自主性を尊重したあまり、まかせっきりになってしまった。
部下がプレゼンに対して強いプレッシャーを感じていた、自信がなかった、でも相談できずにいた──その状態をわかっていなかったのです。

たしかにコミュニケーション不足だった点は否めません。だからと言って、この管理職の方の指導法が悪かったせいで辞めたとは言えないでしょう。

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