競馬である。
JRA(日本中央競馬会)主催の函館競馬は、すでに2週間行われているが、東京、阪神の「中央開催」が先週で終わり、今週末(6月28日)からは、いよいよ完全に東京・中山・阪神・京都以外のいわゆるローカルが中心の夏競馬である。
「夏祭り競馬」のような命名がいい
しかし、考えてみれば、中央開催とか、ローカル競馬とか、非常に失礼な言葉遣いであり、ここにも都会至上主義が表れている。福島などでは顕著であるが、地元の人々は、開催が回ってくるのを本当に楽しみにしており、府中の東京競馬場や千葉の中山競馬場が、開催時になると、混雑で、付近の住民の一部には嫌がられるのとは大きな違いである。
東京競馬場も、1993年のダービーの日の入場者数は約19万6000人、2024年は約7万8000人と、約30年で3分の1近くになっている。一方、売り上げはそこまでは減っておらず、1997年がJRA馬券売り上げのピークで約4兆円。2024年は約3兆3300億円。あまり減っていないし、このところ、馬券の売り上げは毎年伸び続けている。
要は、馬券はネットで買い、競馬場に行くのはイベントとして、ギャンブル以外の要素が中心的な理由なのだ。この連載の執筆陣のかんべえ氏(双日総合研究所チーフエコノミスト)は「旅打ち」がお好きなようで、とりわけ、福島がお気に入り。7月の七夕賞には、私ですら、毎年誘われる(いつも断っている)。しかし、今年は、夏の札幌競馬に一緒に行くかもしれない。
つまり、ローカル競馬のほうが、イベントとしては「楽しい」のである。 JRAは、「ローカル競馬」という名称を禁止し、夏祭り競馬みたいな雰囲気の命名をしてはどうだろう。
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