日本の財政破綻危機で意図的に「大丈夫」「安心」「問題ない」と流されている、まことしやかな「5つのうそ」を暴く

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【うそ5】自国通貨建ての国債がデフォルトする可能性はない。それは財務省自身が言っている。


「自国通貨建ての借金なら大丈夫」というのは、「通貨危機が原因でデフォルトとはならない」というだけのことである。

つまり、いわゆる先進国ではなく、国内に資本が足りず、国外から資本を調達している場合、例えば、米ドル建ての国債を欧米やそのほかの国の投資家に売って、財源としている場合、自国通貨がドルに対して暴落した場合、このドル建ての国債の返済資金を得るために、自国の中央銀行から政府が自国通貨を調達した場合、その自国通貨は、いわゆるハイパーインフレーションという通貨価値の暴落を引き起こすことになり、さらにドルに対して暴落する。

返済するドルを入手するためには不十分となり、さらに自国通貨を中央銀行から調達すると、さらなる通貨暴落となり、いくら自国通貨を中央銀行から入手しても、ドル換算すると資金が永遠に増えないことになる。したがって、即デフォルトとなる。

結局、通貨の価値は激減してしまう

しかし、自国通貨建ての国債であれば、通貨が暴落しても関係ない。むしろドルベースの価値は激減するから、ドルが入手可能であれば何とでもなる。

例えば、民間経済は順調で、トヨタ自動車と任天堂がドルで利益を上げていれば、政府が日本円建ての国債の支払いに行き詰まり、円も暴落していた場合、トヨタと任天堂のドルを何らかの手段で奪うことができれば、ドル円は大暴騰しているから、すぐに円建ての借金など返済できてしまう。これが、ギリシャのように政府が財政破綻するだけでなく、経済全体が行き詰っていたときとの違いである。

しかし、デフォルトはしないかもしれないが、これは日本にとって、いい状態だろうか? 今後、日本政府が借金をしようとしても、その国債がドル建てであろうが円建てであろうが、誰も応じないだろう。

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