手をかけすぎる子育てが逆効果に? “頑張る親”にこそ知ってほしい「戦略的ほったらかし教育」のススメ《戦略的の意味とは?》

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子どもは自由に遊んでいるし、「自分で選択できている」と満足している。けれど、じつは親が大枠をつくっていて、その範囲の中で遊ばせているのです。

海水浴場では遊泳OKのエリアが定められていますよね? そのOKゾーンの内側では、クロールをしても、浮き輪を使っても、逆立ちをしてもいい。ただし、NGゾーンに行くときには明確に注意します。

たとえば、「ゲームに没頭しすぎること」について、保護者からよくご相談を受けます。これについても、親の意思で「絶対NG」とするのではなく、「ゲームは時間やルールを守る練習のためのツールである」と捉えてみます。

子どもがルールを守らずにゲームを長時間続けているのは、いわば遊泳禁止エリアに出てしまっていることと同じです。ルールを守れない場合にはどうするか、親がイニシアチブを持つことが重要なのです。

「戦略的ほったらかし教育」の真髄

戦略的ほったらかし教育は、子どもを「学び体質」へと育てます。“体質”なので一過性ではなく、大人になっても継続します。

そもそも学びとは、机に向かって問題を解くことだけではありません。ご飯を食べること、テレビを見ること、お風呂に入ること、旅行へ出かけること、散歩すること、その生活すべてが、子どもの視点によって学びになります。それらの学びが、学校や塾で問題を解く力にもつながっていくのです。

戦略的ほったらかし教育は、「他の子と同じように勉強する子」を育てるコツではないですし、学校や塾の勉強の効率的なフォローアップをする方法でもありません。まして、エリートを育てるためのメソッドでもありません。

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しかし、子どもたちは生活の中で自然と自身や社会の課題を解決するために、学び、行動する大人に成長していくのです。勉強するのは子ども自身。親がどれだけ力を入れても、子どもが「やろう」と思わなければ意味がないのです。

つまり、親ができることは環境整備がすべて。親の視点が変わることで、子どもの様子や家庭の中がガラリと変わります。子どもの学びへ向かう姿勢だけでなく、親子関係もどんどん変容していきます。

それはきっと、親自身が望んでいる姿なのではないかと思うのです。子育ては壮大な事業であり、複雑で難度の高い意思決定の繰り返しです。だからこそ、「己」を育てます。人間として成長する絶好のチャンスをぜひ生かしていきましょう。

岩田 かおり 家庭教育コンサルタント、ママプロジェクトJapan代表取締役

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いわた かおり / Kaori Iwata

幼児教室勤務、そろばん教室の運営を経て、「子どもを勉強好きに育てたい!」という想いから、独自の教育法を開発。「子どもを学び体質に育てる」と「親を幸せ体質にする」ことを目指し、親がガミガミ言わずに勉強好きで知的な子どもを育てる作戦『戦略的ほったらかし教育』を全国へ展開中。

また、3児の母親で、『戦略的ほったらかし教育』を実践した子どもたちは、中学生で起業、経団連の奨学生としてインドへ高校留学、学費全額奨学金で海外大学進学、塾なしで慶應義塾大学合格など、3人とも自分で自分の道を切り開いてきた。

著書に『「天才ノート」を始めよう!』(ダイヤモンド社)『自分から学べる子になる 戦略的ほったらかし教育』(ディスカヴァー)がある。

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