【実写ドラマ《ONE PIECE》シーズン2】ついにお披露目の「チョッパー」は見た目がSNSで話題に!/キャスティングから見えるNetflixの深謀遠慮

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シーズン2のキャスティングは、よりNetflixオリジナルドラマの戦略を反映されているようにも思います。

例えば、犯罪組織バロックワークスのエージェント、ミス・ウェンズデー役がチャリトラ・チャンドランであることに戦略性を感じます。

ミス・ウェンズデー
ミス・ウェンズデーを演じるチャリトラ・チャンドランは、「ブリジャートン家」シーズン2のヒロイン役で爪痕を残した(画像:Netflix)

チャンドランはNetflix歴代人気トップ5に入る超人気シリーズ「ブリジャートン家」で爪痕を残した女優です。「ブリジャートン家」の中で最も不評のシーズンではあったものの、ヒロインのシャルマを演じ、世に知られるきっかけを作りました。

チャンドランはいわゆる「Aリスト」女優ではありません。ハリウッドでは認知度が高く、数字を持った俳優が「Aリスト」として格付けされていますが、Netflixはそれ以外の俳優の起用をどの配信プラットフォームよりも積極的に行っているのです。

Netflixの戦略の背景には「人気シリーズの終了」が?

Netflixが人気俳優を育てていると言っても過言ではないほどで、実際にAリストじゃない俳優がNetflix作品でブレイクのきっかけを作ったケースは多々あります。ドラマ「クィーンズ・ギャンビット」でチェスの天才少女を演じたアニャ・テイラー=ジョイがその好例です。

ブレイクするほどではなくても、立て続けにNetflix作品の出演を手にし、ドラマ作品でお馴染みの俳優になることもあります。つまり、Netflixは俳優が出世街道を上っていく道筋を意図的に作っていると言えます。作品が人気を得るか否かは俳優の存在も大きいですから、実写版「ONE PIECE」においてもキャスティング戦略に余念がないのです。

シリーズが続く成功作品を1つでも増やしたいとNetflixが考えていることも背景にあるはずです。

歴代1位の韓国ドラマ「イカゲーム」は6月27日から最新作が配信開始されたところですが、今回のシーズン3で完結します。また根強い人気のSFドラマ「ストレンジャー・シングス」も、最終章の配信を年内に控えています。

稼ぎ頭の作品が次々と幕を閉じていく状況では、最強IPの実写版「ONE PIECE」を失敗させるわけにはいかないのです。続編まで約3年の間を空けてしまうリスクがあっても、着実に成功させることが先決問題なのでしょう。

長谷川 朋子 コラムニスト

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はせがわ ともこ / Tomoko Hasegawa

メディア/テレビ業界ジャーナリスト。国内外のドラマ、バラエティ、ドキュメンタリー番組制作事情をテーマに、テレビビジネスの仕組みについて独自の視点で解説した執筆記事多数。最も得意とする分野は番組コンテンツの海外流通ビジネス。フランス・カンヌで開催される世界最大規模の映像コンテンツ見本市MIP現地取材を約10年にわたって重ね、日本人ジャーナリストとしてはこの分野におけるオーソリティとして活動。業界で権威ある「ATP賞テレビグランプリ」の「総務大臣賞」の審査員や、業界セミナー講師、札幌市による行政支援プロジェクトのファシリテーターなども務める。著書は「Netflix戦略と流儀」(中公新書ラクレ)。

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