「元気がないね」って言わないでほしい。Z世代に上の世代がやりがちな逆効果コミュニケーション

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理由は、「やる気や元気がある・ない」のような曖昧な表現は、本人の性格や声をかけた人の主観による部分が大きいから、だそうです。簡単に言ってしまえば、「なんだか暗い顔してるね」と言われても、言われた当人にしてみれば(もともとこんな顔だよ……)というような感じでしょうか。いつでも元気いっぱい笑顔を見せていたいタイプの人ばかりではないということです。

指摘をするなら、勤怠時間や進捗・納期の遅れなど、仕事において客観的にアウトとされる「ファクト」から指摘したうえで事情を聴いてほしい、ということでした。暗い顔をしていても、元気がなく見えても、仕事でしっかり成果を出していればそこは放っておいてほしい、顔つきや雰囲気までコントロールしようとしないでほしい、そんなホンネがうかがえます。

日ごろの関係がなければ相談できない

さらに、Z世代の皆さんに一番初めに言われたのが、「日頃から接点がない人に『なんでも相談して』と言われても、何も話せない」ということでした。

例えば、あなたがZ世代の直属の上司や先輩にあたる人から、「〇〇さん、最近元気がないし、勤務態度もよくないんです。退職や転職を考えているのかもしれないから、話してみてもらえませんか」と相談を受け、慌ててOne on Oneミーティングを入れて悩みを聞き出そうとしても、その人は「特に困っていることはありません」と、何も話してくれないでしょう。

悩みの相談に乗れるような親しい関係を、日頃から築けているかどうか、そこで成否はすべて決まってしまいます。これももちろんZ世代に限ったことではないのですが、特にZ世代などの若い世代では、上司だから話す、One on Oneの場だから話すというような社会人としての忖度が薄い分、関係性がない人のシャットアウト度合いが強いかもしれません。

とはいえ、気軽に質問を受けたり、悩みの相談に乗ったりできるような親しい関係を、どうやって築いてよいかわからない方も多いでしょう。そして、Z世代の皆さんも、プライベートなことなど話したことのない上司や先輩から、いきなり「親しくなろう」というアプローチをとられるのは、やはりつらいと言います。まずはあくまでも仕事上の人間関係を前提に、時間をかけて会話の数を増やしてほしい、というのが要望です。

私が日ごろマーケティングでも活用している心理効果のひとつに、ザイアンス効果というのがあります。単純接触効果とも呼ばれているのですが、何度も繰り返し接触する対象について、興味関心や好感度が高まっていくという心理効果を意味しています。

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