「なぜ指示通りに動かない?」とイライラするのは間違い。話し方のプロが教える今日から使える《人を動かす伝え方》のコツ

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では、少し慣れたと思いますので、もう一度、言い換え問題を解いてみましょう。

気を抜くな→ [              ]

パッと答えが出せましたか。出せたら肯定表現に慣れたということです。解答例は「集中してやろう」といったものです。

明るく感じられる肯定表現をする

こうして肯定表現に慣れても、反射的に否定的な表現は出てしまうもの。それは、人間ですからやむを得ません。だから、否定的な表現を言った後で、肯定表現を足せばよいのです。

そして、足すならば「集中してやれ」よりも、「集中してやろう」という「レッツ!」な表現が明るく感じられよいでしょう。

読者のみなさんは、この段階で自分が否定的な表現を使えば、気づくようになっているはずです。例えば「気を抜かずに」と言ったとき、(否定表現だ!)と気づきますので、「集中してやろう」を足せばよいのです。

これは文章でも同様です。

業務通達を作る、メールやビジネスチャットで指示を出す、ポスターや張り紙など掲示物を作るときも同じように、肯定表現を使います。

以前にこんなことがありました。

仕事で伝えることになったら読む本
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私の行ったセミナー会場に、飲み物の自動販売機が設置されていました。その横に「カンはここに捨てないでください」と書かれた張り紙があったのですが、それを見たセミナー受講者は

「で、どこに捨てればいいの?」

とつぶやきました。実際には、カンを捨てる場所は少し離れたところにあって、気づきにくい場所でした。

おそらく、自動販売機の管理者は、ペットボトル専用の捨て場にカンを捨てられて困った経験があるので、「カンは捨てないで」と書いたのでしょう。同情しますが、否定表現で終わらず、「カンはあちらに」と矢印で書き足せばよかったのです。

このように、肯定表現を足せるチャンスは身近に多くあります。今日から「レッツ肯定表現!」でいきましょう。

濱田 秀彦 株式会社ヒューマンテック代表取締役

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はまだ ひでひこ / Hidehiko Hamada

早稲田大学教育学部卒業。住宅リフォーム会社に就職し、最年少支店長を経て大手人材開発会社に転職。トップ営業マンとして活躍する一方で社員教育のノウハウを習得する。独立後はマネジメント、コミュニケーション研修講師として、階層別教育、プレゼンテーション、話し方などの分野で年間120回以上の講演を行っている。これまで指導してきたビジネスパーソンは5万人超。おもな著書に『仕事を教えることになったら読む本』(アルク)、『あなたが上司から求められているシンプルな50のこと』『あなたが部下から求められているシリアスな50のこと』(以上、実務教育出版)、『「上司に話が通じない」と思ったときに読む本』(かんき出版)など多数。

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