「なぜ指示通りに動かない?」とイライラするのは間違い。話し方のプロが教える今日から使える《人を動かす伝え方》のコツ
では、少し慣れたと思いますので、もう一度、言い換え問題を解いてみましょう。
パッと答えが出せましたか。出せたら肯定表現に慣れたということです。解答例は「集中してやろう」といったものです。
明るく感じられる肯定表現をする
こうして肯定表現に慣れても、反射的に否定的な表現は出てしまうもの。それは、人間ですからやむを得ません。だから、否定的な表現を言った後で、肯定表現を足せばよいのです。
そして、足すならば「集中してやれ」よりも、「集中してやろう」という「レッツ!」な表現が明るく感じられよいでしょう。
読者のみなさんは、この段階で自分が否定的な表現を使えば、気づくようになっているはずです。例えば「気を抜かずに」と言ったとき、(否定表現だ!)と気づきますので、「集中してやろう」を足せばよいのです。
これは文章でも同様です。
業務通達を作る、メールやビジネスチャットで指示を出す、ポスターや張り紙など掲示物を作るときも同じように、肯定表現を使います。
以前にこんなことがありました。
私の行ったセミナー会場に、飲み物の自動販売機が設置されていました。その横に「カンはここに捨てないでください」と書かれた張り紙があったのですが、それを見たセミナー受講者は
「で、どこに捨てればいいの?」
とつぶやきました。実際には、カンを捨てる場所は少し離れたところにあって、気づきにくい場所でした。
おそらく、自動販売機の管理者は、ペットボトル専用の捨て場にカンを捨てられて困った経験があるので、「カンは捨てないで」と書いたのでしょう。同情しますが、否定表現で終わらず、「カンはあちらに」と矢印で書き足せばよかったのです。
このように、肯定表現を足せるチャンスは身近に多くあります。今日から「レッツ肯定表現!」でいきましょう。
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