「なぜ指示通りに動かない?」とイライラするのは間違い。話し方のプロが教える今日から使える《人を動かす伝え方》のコツ

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

例えば、

【ゴール】
目的:来期の新入社員受け入れのために
内容:備品の発注マニュアルを
納期:今期中に
要求水準:新入社員がマニュアルを読めば1人で備品発注ができるようなレベルで
【やり方】
やり方(チームで共有している標準マニュアルフォーマットを使って)
【肯定的(に)】
チャート、帳票の図、スクリーンショットなどビジュアルを多用して

というように示します。

この中で、多くの方は指示の3原則を知らなくても目的や内容、納期は思い浮かんだでしょう。そこで以降では、それ以外の部分「ゴール」「やり方」「肯定的(に)」を中心に深掘りしていきます。

動かすカギは肯定表現

先ほどの例の中で、肯定表現として「チャート、帳票の図、スクリーンショットなどビジュアルを多用して」という表現がありました。これを否定的な表現にすると、「文字ばかりにならないように」という言い方になります。

否定的な表現では、人は動けません。それに、否定的な表現が多い指示は、相手に息苦しさを感じさせます。否定的な表現はデメリットだらけなのです。

しかし、人間は否定的な表現をしてしまうものです。それはなぜか。「見たくない景色を見た」という経験しているからです。

自分はパッと見て感覚的にわかるマニュアルを希望していた。しかし、見たのは文字だらけで、わかりにくいマニュアルだった。そういう経験をしていると、つい「文字ばっかりのものはやめてくれ」と言いたくもなります。だから、意識的に肯定表現を使う必要があるのです。

ここで、試しに肯定表現の練習をしてみましょう。次の表現を肯定表現に改めてみてください。

①ミスするな→ [             ]
②見落とすな→ [             ]
③あきらめるな→ [             ]
④忘れるな→ [             ]
⑤勝手に判断するな→ [             ]

いかがでしょう。瞬時に答えが出せなければ実務では使えません。でも、慣れていないと直感的に答えを出すのは難しいでしょうから、慣れていきましょう。

解答例は、①ミスするな→完璧にやろう、②見落とすな→きちんとチェックしよう、③あきらめるな→粘り強くやろう、④忘れるな→きちんと覚えよう、⑤勝手に判断するな→事前に相談して

などです。

もちろん別解答もありますので、これ以外は間違いというわけではありません。例えば「④忘れるな」に対しては、忘れる前提で「メモしよう」もOKです。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事