「なぜ指示通りに動かない?」とイライラするのは間違い。話し方のプロが教える今日から使える《人を動かす伝え方》のコツ

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私が初めて部下を持ったとき、部下が指示通りに動いてくれないことが最大の悩みでした。マネジメント経験が浅かった私は、多くの社員を抱え、事業を拡大していた取引先の社長に、どうすれば部下が指示通りに動くようになるかを相談しました。

そのとき、社長が言ったのは「君は、人が自分のイメージ通りに動くと思っているだろう。そう思っているうちは、指示通りに動かせないよ」ということ。

当時の私にとって大きなインパクトのある言葉でした。その後、私は考えを変え「そもそも、人は自分のイメージ通りには動かないもの」という前提で指示を出すようにしました。そういう前提にすると、「ここは理解しにくいだろう」「ここは誤解しそうだな」と考えながら指示を出すようになります。

その結果、部下が少しずつイメージに近い動きをしてくれるようになっていきました。加えて、イメージと違う動きをする部下にイライラすることもなくなりました。

30年も前の話ですが、今でもその考えを前提にしており、セミナー受講者のみなさんにもお勧めしています。

本稿でも、「人は自分のイメージ通りには動かないもの。だからこそ、指示の工夫が必要」という前提で、人を動かす指示の出し方を紹介します。部下・後輩を持つ管理職、リーダー層だけでなく、人を動かして仕事をするすべてのみなさんに役立つようなスキルを提示します。

「指示の3原則」を知ろう

指示には原則があります。どんなことだと思いますか? 部下や後輩を持たない方も、仕入れ先に指示を出す、他部門に依頼を出すといった経験はあるはずですので、想像できるでしょう。

ということで問題です。

次の①〜③は、指示の3原則です。[     ]に言葉を入れてみてください。

①[     ]を示す
②[     ]を示す
③[     ]に示す

イメージできたでしょうか。答えは①ゴール、②やり方、③肯定的、です。「目的や納期も必要なのでは」と思った方、それも正解です。①のゴールを示すは「目的」「内容」「納期」「要求水準」を含めたものを指します。

指示をシンプルに解明すると、「最終的にこうなってくれ(①ゴール)」「この道を通ってくれ(②やり方)」の2点が伝わるようにすること、それだけです。

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