共通点探しは逆効果? 初対面でNGな「世代・出身地トーク」の落とし穴

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年齢の自虐ネタは、誰かに対するジャッジメント(決めつけ、偏見)を入れずに、純粋に自分の情報を伝えれば、互いを知るきっかけにもなる会話の味付けネタともいえよう。

「女らしい」「男らしい」の表現は避ける

よかれと思ってほめたつもりでも、相手にとって、心地いいとは限らない。仲良くなりたいのに、逆に距離ができてしまうこともある。とくに難しいのは、その人の「属性」をほめるときだ。

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「イタリアから来たのなら、きっと料理が上手ですね」と日本人に言われて、衝撃だったと聞いたことがある。

日本人は「ほめているからいいだろう」と話題をふるのだが、ひとくくりにされることに抵抗をおぼえる人が多いのだ。

同じ話題なら、「私」と「あなた」を主語にして、「私はイタリアの料理が好きです」「私はイタリアの人はよく料理をすると聞いたことがあります。あなたもそうですか?」と、聞くほうがいい。

グループを一般化したり特性を決めつけたりするのは、相手とあなたの関係性が近づくきっかけにはならない。それどころか、いいところを指摘したつもりなのに、「偏見がある」「失礼だ」ととられかねない。

相手の文化や国籍、育った環境などにふれる場合は、「私は〇〇(場所)に行ってみたいと思っていました」「〇〇(国)の音楽は大好きです」と特定のこと、限定したモノに触れるくらいでいい。グループ化してほめる必要はない。

さらにジェンダーにまつわるほめ言葉も、「女らしさ」や「男らしさ」を決めつけることになるので、避けたほうがいい。たとえば「女性の感性がいかされている」「男気がある」といった「ほめ言葉」だ。その場合は、ジェンダーの部分を取り払って、「細やかな気配りですね」とか「思いやりがある」「頼りがいがある」というふうに具体的に言えば、相手への関心を示す表現になる。

誰だって「日本人だから、あなたはこうでしょう」と属性でみられるより、個人として「何をしているか」「何が好きか」「どんな考え方をしているか」に興味を持ってもらえたほうが、うれしいはず。相手を知るための質問をすれば、それだけで互いの距離がぐっと縮まるのだ。

斉藤 真紀子 ライター

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さいとう まきこ / Makiko Saito

日本経済新聞米州総局(ニューヨーク)金融記者、朝日新聞出版「AERA English」編集スタッフ、週刊誌「AERA」専属記者を経てフリーに。ウェブマガジン「キューバ倶楽部」編集長。共著に『お客さまはぬいぐるみ 夢を届けるウナギトラベル物語』

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