メルボルン鉄道旅「交通費1日1000円以下」で満喫 「物価高で海外旅行ができない」は大きな誤解だ
ローカル列車は「スプリンター」と呼ばれるディーゼルカーで、この車両はデザインが異なるものの唯一シドニー近郊でも運転しているのと同じ車両である。つまり、この車両以外はオーストラリアでもビクトリア州でしか見られないということになる。
州を越えて運行する列車は、ニューサウスウェールズ州シドニーへのXPT(eXpress Passenger Train)が1日に昼行、夜行それぞれ1本ずつあり、夜行列車は1両が寝台車である(昼行ではコンパートメント車両となる)。この車両はイギリスの初代高速列車インターシティ125(時速125マイル=時速約200kmの意)、HST(High Speed Train)という車両のオーストラリア版である(オーストラリアでは時速200キロ運転は行っていない)。両端のディーゼル電気機関車が客車を挟み込むプッシュ・プル編成だ。
南オーストラリア州のアデレードへはディーゼル電気機関車の引く客車列車の「ジ・オーバーランド」があるが、週2便なので、かろうじて残っているという状況であった。これら長距離列車はそれぞれ別の鉄道会社が運行している。
運賃は一見高額、中身は割安
メルボルンエリアの鉄道運賃は、中心部がゾーン1、その周りがゾーン2となり、この範囲はカード乗車券が必須で、紙の切符はない。1度の乗車でも「マイキー」と呼ぶカード乗車券が必要で、トラムも現金での乗車はできない。
メルボルンで公共交通に乗るには、まずは「マイキー」というカード乗車券を購入する必要がある(6AUD、約600円)。ここにチャージして(Top upという)、利用した金額が差し引かれる。運賃は最初の2時間が約500円、日本的に表現すると初乗りが500円で、さらに最初はカード代600円が必要なので、トラムに1駅乗るにしても約1100円が必要となり、あまりの高額にびっくりするだろう。
しかし、2時間が500円と高額ながら、1日の上限が1100円程、週末は700円程となり、これ以上は引き落とされることがなく、結果的には交通費は格安となる。システムが日本とはかなり異なるのだ。
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