メルボルン鉄道旅「交通費1日1000円以下」で満喫 「物価高で海外旅行ができない」は大きな誤解だ
トラムは「ヤラ・トラム」が運行し、南半球最大の路線網を有する路面電車である。距離は200km以上に及ぶので、日本最大の路面電車網となる広島電鉄35.1kmの5~6倍もの路線を有している。主要地域はすべてトラム網がカバーしており、メルボルンでは路線バスをほとんど見ないほどである。
路線網は中心街のサークル状の部分から四方八方へ伸びていて、多くの系統が郊外から中心街へ達し、そのまま反対側の郊外へ向かうような運転だ。市内中心街のサークル状の内側は運賃無料という特徴もある。
トラムの車両には現地製の旧型車両に連接ではない車両と連接車両があり、これらは非冷房車だ。降車の際は車内に張り巡らせているひもを引くとそのひもがチャイムにつながっているという単純な作りが微笑ましい。新型車両はちょっと武骨なスタイルのドイツ製と、エレガントなスタイルに感じるフランス製があり、ともに連接車である。
中心街をサークル状に運行する系統は、レトロな保存車両で観光列車的に運転され、この系統は始発から終着まで無料である。
クラシカルな街並みを行くトラムはヨーロッパのような雰囲気で、路面電車ファンには魅力的な街に感じる。
長距離列車も多く発着
メトロが運行する範囲は電化していて、その外へ出る列車はすべてVラインのディーゼル列車となる。長距離列車や都市間列車はドイツ製の「ロードシティ」という3両編成のディーゼルカーで、最大4組連結した12両編成の列車もあり、朝夕は通勤列車としても運転されていた。通勤時間帯にはディーゼル電気機関車の引く客車列車も運行、通勤時の助っ人的な列車で昼間は駅で休んでいた。
これらの列車はメルボルン最大のターミナル駅であるサザンクロス駅を起点とする。この駅は大屋根に囲まれた終点式のホームで、そこに多くのディーゼルカーが並び、構内にエンジンのアイドリング音がこだまし、日本ではあまり味わえなくなったターミナル駅旅情に満ちていた。
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