メルボルン鉄道旅「交通費1日1000円以下」で満喫 「物価高で海外旅行ができない」は大きな誤解だ
オーストラリアは州が変わると鉄道の雰囲気も大きく変わる。6月3日付記事(どれだけ乗っても「週5000円以内」シドニー鉄道旅)でも紹介したが、シドニーはニューサウスウェールズ州、今回紹介するメルボルンはビクトリア州の都市で、運行している車両やシステムがまったく異なる。1つの州でも大きな面積なので、オーストラリアでは州が異なると別の国の鉄道といってもいいかもしれない。
メルボルン地域には近郊電車としてメトロ網があり、市内交通としてはトラムがある。メトロの終点から先は非電化路線となり、ローカル線や地方都市へはVラインのディーゼルカーが運行している。Vはヴィクトリア(Victoria)州の頭文字で州鉄道を意味する。シドニーエリアの鉄道はほとんどが2階建てだったが、メルボルンエリアには2階建て車両はないなど、車両の形態もかなり異なる。
どの駅にも無料のトイレ
州をまたいでの列車は少なく、シドニー行きが1日に昼行、夜行1本ずつ、南オーストラリア州のアデレードへの列車もあるが、週2便という本数の少なさである。異なる州への移動は概ね空路が一般的だ。
メトロ網はメトロ・トレインズ・メルボルンが運行し、メルボルン中心街から放射状に総延長約400kmの路線がある。車両は年代順に「コメング」(オーストラリア製)、「シーメンスネクサス」(ドイツ製)、「エクストラポリス100」(フランス製)、「HCMT」(中国製)の4種、それぞれほぼ同数の編成があり、形態が異なる。HCMT以外は3両編成で、2組連結した6両編成で運転され、一部末端区間のみを運行する列車が3両編成であった。最新となる中国製HCMTはHigh Capacity Metro Trainの略で7両固定編成となる。
座席はクロスシート主体で、HCMTだけは、クロスシート多めのセミクロスシートである。古参のコメングは座席が3‐2配置、ドアが半自動であった。私が見た限りではどの駅にも無料のトイレがあり、安心して旅ができた。
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