「高タンパク質+低糖質食」実は筋肉がよろこぶ食事ではなかった→摂りすぎたタンパク質は体内で脂肪に変わってしまう

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27件の実験を総合的に分析した研究から、栄養のバランスが運動の効果を大きく左右することが判明しています。

ここでは有酸素運動を実施していますが、結果は印象深いものです。参加者は22~32歳の一般男性で、BMI(体格指数)は標準範囲内でした。

タンパク質と糖質の摂取量をさまざまに変えて、有酸素運動の前後でテストステロン量を測定したところ、高タンパク質+低糖質食を摂取した参加者は、なんと、運動後にテストステロンがもっとも大きく減少しました。

減ってしまったのです。

その一方、タンパク質を標準量摂取した、中タンパク質+低糖質食グループは、テストステロンが減少しませんでした。

結果を報告した研究者らは、筋肉を増やそうとしてタンパク質を大量に摂取すると、体の負担になるからではないかとしています。

体に入ったタンパク質はアミノ酸に分解され、肝臓で処理されますが、プロテインを大量に飲むなどしてタンパク質を過剰に摂取すると、肝臓の負担になって肝機能が低下したり、尿タンパクが強陽性を示したりすることがあります。

摂取したタンパク質を処理しきれなくなるのですね。

タンパク質の1日の目安量は50~65g

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、1日あたりのタンパク質の目安量は、18~64歳の男性は65g、女性は50gです。

タンパク質には動物性と植物性があり、肉、魚、卵、乳製品だけでなく、大豆製品や穀物にも含まれています。

1日の目安量50~65gであれば、心配しなくても摂取するのは難しくありません。1日3食とすると1食で20g摂取すればよいのです。

牛、豚、鶏のモモ肉なら、100gでタンパク質を約20gとれるため、これだけでクリアです。ちょうど、豚肉の生姜焼き1皿で使う量です。

木綿豆腐半丁、納豆1パック、食パン2枚、蕎麦1食には、それぞれ約10g、牛乳は200mlの小さな紙パック1個で約7g、卵は1個で8~9g摂取できます。

でも、筋肉を増やすには、これでは足りないのでは? 少し前まで、筋トレで筋肉を増強するには、一般の3倍近い量のタンパク質を摂取すべきだといわれていました。すごい量です。

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