「高タンパク質+低糖質食」実は筋肉がよろこぶ食事ではなかった→摂りすぎたタンパク質は体内で脂肪に変わってしまう

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これに関して、2017年に、計約1860人の参加者を対象とする、49件の報告を総合的に分析した研究結果が公表されました。

タンパク質の摂取量を1日あたり4~106gのいずれかに設定し、6~52週間にわたって筋トレを実施して、筋肉の増加量を比較したものです。

すると、タンパク質の摂取が増えるにつれて、筋肉が増加する傾向が認められましたが、体重1キロあたりで1.62gのタンパク質を摂取すると、意外なことに、筋肉がそれ以上、大きくならないことがわかりました。

体重1キロあたり1.62gというと、「日本人の食事摂取基準」が示す目安量の1.5倍くらいです。

18~64歳の男性で、体重が65kgなら1日約105g、女性で体重が50kgであれば、約80gで十分ということです。

摂りすぎたタンパク質は脂肪に変わる

体が処理できるタンパク質の量には限度があるため、過剰に摂取したタンパク質はエネルギー源に回されます。

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なんといっても、1gのタンパク質から、ブドウ糖と同じく4kcalのエネルギーを作ることができるのですから。

それでも消費しきれなかったタンパク質は脂肪になって体につき、さらには体の負担になります。

そして、筋肉を増やすには、タンパク質だけでなく糖質もある程度必要です。血糖値が上がると出てくるインスリンが筋肉の合成を高め、同時に筋肉の分解を抑えるからです。

ダイエットに有効だからと、タンパク質ばかりをやみくもに摂っても意味がありません。

栄養をバランスよく摂取して、体を動かし、生活習慣も整えて、多方面から減量に取り組みましょう。

奥田 昌子 医学博士/内科医

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おくだ まさこ / Masako Okuda

京都大学大学院医学研究科修了。京都大学博士(医学)。博士課程にて基礎研究に従事。生命とは何か、健康とは何かを考えるなかで予防医学の理念にひかれ、健診ならびに人間ドック実施機関でのべ30万人以上の診察/診療にあたる。航空会社産業医を兼務し、ストレス対応を含む総合診療を続けている。著書に『これをやめれば痩せられる』(東洋経済新報社)、『欧米人とはこんなに違った 日本人の「体質」』(講談社ブルーバックス)、『内臓脂肪を最速で落とす』(幻冬舎新書)などがある。

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