シャープ・片山社長が事実上の引責辞任、交代会見の詳報

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シャープ・片山社長が事実上の引責辞任、交代会見の詳報

シャープは3月14日に開かれた取締役会で、経営陣の刷新を決めた。海外事業統轄兼海外事業本部長の奥田隆司常務執行役員が4月1日付で社長に昇格、片山幹雄社長が代表権のない取締役会長に、町田勝彦会長が取締役相談役に退く(奥田氏の代表取締役としての昇格は6月の株主総会での決議後となる)。

奥田常務は名古屋工業大学大学院修士課程(工学研究科)修了後、1978年にシャープに入社。マレーシア法人の責任者などを経て2001年にAVシステム事業本部映像機器事業部長に就任し、液晶テレビ「アクオス」の海外拡販などを担った。11年10月からは、海外事業を統括する常務執行役員を務める。座右の銘は「現場主義」、モットーは「率先垂範」。

3月14日、片山社長(写真左)、奥田新社長(同右)の2名が出席し、帝国ホテル大阪で開かれた記者会見の一問一答は以下のとおり。

--このタイミングで社長交代を決断した理由は。

片山:エレクトロニクス業界を取り巻く厳しい環境下で、地産地消戦略や液晶の事業構造改革などに取り組んできたが、今年度(12年3月期)は過去最大の赤字を計上する見通しとなった。株主をはじめシャープを支援してくださる方々には経営者として大変申し訳なく思っている。

業績悪化の主因は、液晶テレビなど主力商品の市況悪化にタイムリーに対応できなかったことにある。環境の変化が激しく、社長一人で目配りをすることが難しいことに加え、対外業務も多忙になっている。新社長の奥田と二人三脚で改革に取り組みたい。
 
 この時期に発表したのは、次年度の予算審議を新しい体制で行い、4月からの新年度の執行をスピーディーに進めるためだ。代表取締役としての(奥田氏の)正式な承認は株主総会を経てからになるが、6月末を待つことなく新体制で改革に取り組んで行く。

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