「アマゾン決済」は日本をどう攻めるのか? サービス開始から5カ月、EC王者の戦略を聞く

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――日本でサービスを始めて5カ月。EC事業者の導入は進んでいるか。

予想を上回る反響があったので、システム開発や営業活動の投資を前倒しした。5月のサービス開始時は、演劇チケット販売サイト「劇団四季」(運営・四季)と、料理宅配サイト「出前館」(同・夢の街創造委員会)の2社だった。10月時点では約200社に増えている。決済額で見ても、足元では日本がいちばん伸びている。

――ドイツや英国と比べると、日本は導入が遅れたようにも見える。米国や欧州に比べてECの利用がまだ盛んではないとの判断があったのか。

そうではない。ドイツや英国と同じように、日本もECが十分に普及した市場だと考えている。法制度への対応などで時間がかかった結果、時期がずれただけだ。

アマゾンの日本法人によると、財布などの小物を扱うあるEC事業者では、サービスの導入後、既存の代金引換や自社サイトのカード支払いに比べて注文の成約率が約1.6倍に高まった。2回目以降は最短で「購入決定」と「支払い方法決定」の2クリックで購入が完結する簡便さが威力を発揮しているようだ。PCよりも複雑な入力が難しいスマートフォンでの利用の場合、サービス導入によってさらに高い成約率向上の効果が得られるという。

サービス価格は安い?高い?

パトリック・ゴティエ●eコマースのスタートアップなどで経営幹部を経験、直近ではPaypalでプリペイドやギフトなどのビジネスを担当。決済サービスとeコマース業界で20年のキャリアがある

――サービスを導入する際にECサイトのシステムを改修するコストなどがかかる。アマゾンの場合、導入にかかるコストは他社に比べて安いのか。

価格面でも競争優位性はあると思うが、その事業者がどのようなシステムを持っているかによるところが大きい。とはいえ、初期コストにこだわるのではなく、サービスを導入することでどれだけ成約率を高められたかなど、投資から生まれる効果がより大事という考えだ。

――米国では、手数料は決済額の2.9%プラス30セント。日本ではどのような手数料設定なのか。

現段階で詳しい数字は公表していないが、日本での事業規模が成長した時点での公表を検討している。

山田 泰弘 東洋経済 記者

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やまだ やすひろ / Yasuhiro Yamada

新聞社の支局と経済、文化、社会部勤務を経て、2014年に東洋経済新報社入社。IT・Web関連業界を担当後、2016年10月に東洋経済オンライン編集部、2017年10月から会社四季報オンライン編集部。デジタル時代におけるメディアの変容と今後のあり方に関心がある。アメリカ文学、ブラジル音楽などを愛好

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