バランス調整されたHD-2Dリメイク版『ドラクエ3』がリリース。アップデートが遅すぎて不評を買った理由とは
HD-2Dリメイク版『ドラクエ3』はクリアしたら終わりで、過去に遊んだ経験のある人も多いレトロなゲームである。しかも発売から半年経って細かい調整のアップデートがされたとして、喜ぶ人はまだ遊んでいない人だろう。熱心なファンほどすでに遊び終えており、遅きに失したと感じてしまう。
アップデートで改善されるのは素晴らしいことだ。しかし、どんなに喜ばしい行為であったとしても、タイミングがずれていては価値が目減りしてしまう。
根本的なバランス調整が過去の否定に見えてしまう

これだけならアップデートが遅かっただけで済むのだが、ゲームバランスの調整も焚き火にうちわで風を送るような状況になっていた。
HD-2Dリメイク版『ドラクエ3』は2021年5月に発表され、発売まで3年半近くもかかっている。重要なタイトルだけあって時間をかけるのは理解できるが、そうして満を持して登場したゲームが調整不足とあらば不満も募ってしまう。
これまでのバージョンでは、ラスボスすら眠らせて一方的に攻撃することが可能だった。また、「まもの使い」という職業が非常に強く、これ以外を選ぶ必要がないほどの性能を誇っており、そこにアップデートでメスが入った。
アップデート前の状態で「このゲームはそういうものだ」と胸を張っていればまだよかったものの、このあたりも調整してしまったわけで、元のバランスに問題があったと遅れて認めるようなものである。
さらに、一部を除いた全モンスターの守備力を下げたほか、そもそも敵に与えるダメージにすら調整が入っており、根本的に問題があったとすら解釈されかねない。正直、バトルの調整に関しては詳細に書かなくてもよかったように思える。

もちろん、完璧なゲームバランスというのは存在しない。何かが強すぎたり弱すぎたりすることはゲームにおいてはままあることだ。ただ、HD-2D版『ドラクエ3』はその挽回があまりにも遅すぎた。日本国内で絶大な支持を得ているゲームのリメイク版であることを考えると期待も大きく、失望されるのもやむなしといったところである。
アップデートされること自体は歓迎すべきことだし、ありがたい話である。しかしながら、時代はもうすっかり変わった。買ったゲームがいつまでも変わらないファミリーコンピュータの時代ではないのである。レトロなゲームの代名詞である『ドラクエ』に求められているものも変化しつつあるのかもしれない。
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