バランス調整されたHD-2Dリメイク版『ドラクエ3』がリリース。アップデートが遅すぎて不評を買った理由とは

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まずは船・ラーミア(乗り物全般)の移動速度が速くなっている。これは当初から遅いと指摘されていたので、ようやく改善されたわけである。

そして、ゲームバランスもいろいろと修正されている。強すぎた職業がいくらか控えめな性能になり、今まであまり目立たなかった職業が強化。また、敵に与えるダメージや全モンスターの守備力といった細かなパラメーターまで調整されている。

もちろんアップデートによってゲームが改悪されることもありうるのだが、今回のケースにおいてはポジティブに受け止められる変更が多い。ただし問題がないわけではなく、ポイントとなるのがアップデートの時期である。

前述のように、HD-2Dリメイク版『ドラクエ3』が発売されたのは2024年11月で、アップデートは2025年5月である。およそ半年経ってからのアップデートなわけだが、実はこれ、現代においてはかなり遅い。

いまやほとんどのゲーム機がインターネット接続を標準としており、ゆえに買い切り型のひとり用ゲームであったとしても、アップデートがあるのは当たり前といえる。

ゲームの進行に何か問題が発生したらすぐに修正すべきだし、致命的でない問題だとしても改善は早いほうがベターである。とはいえ、アップデートには多かれ少なかれ時間のかかるものだ。なぜユーザーは半年で遅いと感じるのかといえば、それにはふたつの理由がある。

いまはゲームのサイクルが非常に早い

ドラクエ3
HD-2Dリメイク版『ドラクエ3』はPC版も同時発売したため、すでにMODがいろいろと制作されている(画像:Nexus Modsよりキャプチャー)

ひとつは、そもそもPC版の場合はMOD(いわゆるユーザーが作った改造データ)による迅速な改善が行われていたからである。船やラーミアの移動速度に関するMODは、発売から1週間ほどでリリースされていた。それを考えると半年というのは、亀の歩みにたとえるのもおこがましい。

ふたつめは、ゲームのサイクル自体が非常に速くなっていることが挙げられる。ファミリーコンピュータの時代は新作が月に数本から十数本あって、雑誌などでチェックして、ゲームショップで購入して……といった流れが自然だったが、いまや数多くのゲームがインターネット上でリリースされ続けているのである。

PCゲームの最大手プラットフォーム「Steam」では、2024年に約1万9000本のゲームがリリースされたという。ならせば1日に約52本もゲームが出ているのだ。もちろん、スマホなど他プラットフォームのゲームを含めればもっともっと数は多い。半年もすれば、ユーザーはとっくにほかのゲームに移っている。

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