コロナ禍で消えた「夜パフェ」に《第2次ブーム》の気配、盛り上がり方が第1次と"ひと味違う"決定的理由

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「シメパフェ」というスタイルだと、パフェを楽しむ人しか集客できない。しかし、バーという要素も加えることで客層が広がり、パフェを食べない人も楽しむことができる店となったのだ。

なお、同店のパフェの特徴は、季節の果物をふんだんに使っている点だ。常時4種類ほど用意しており、運営会社でイタリアンバルやハワイアンダイニングといった飲食店を展開してきたノウハウも生かしながら、月によって提案を変えている。

近年、肥料価格の高騰や異常気象の影響を受けて、国内の果物価格の値上がりが続く。その中でも旬の果物を使えるのは、やはり人件費と家賃を抑え、その分を原材料費に当てているからだ。

同店ではスマートフォンでオーダーする「モバイルオーダー」を活用して人手の削減を行っているが、それをスタッフに邪魔されることなく過ごせる空間づくりにつなげるなど、テクノロジーの効果的な活用もうまい。

生き残る外食店舗の必要条件を満たす

SNSでの拡散を狙い、思わず撮影したくなるメニュー提案を行う(写真:CARTON提供)

両店に共通するのは、コストを下げて、ある程度の売り上げで経営が成り立つモデルになっている点だ。損益分岐点の低さは、息の長いビジネスに欠かせない。その意味から、両店ともフランチャイズで店舗を展開しているが、その人気は高まっていく可能性がある。

人口が減少し、国内の外食市場も縮小していく中、生き残るのは来店動機があるお店だ。他店と同じような提案しかできないお店は、値下げ競争にさらされ、淘汰されていってしまうだろう。

そうした市場環境を踏まえて、フランチャイジーも新しい時代にあったフランチャイズモデルを探しているケースが多い。その側面から、今夏が猛暑となれば消費者側のニーズもおのずと高まっていくため、「アイスは別腹」や「VIGO」の店舗が一気に増え、「夜パフェ」ブームの勢いが加速する可能性は高い。

三輪 大輔 フードジャーナリスト

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みわだいすけ / Daisuke Miwa

1982年生まれ、福岡県出身。法政大学卒業後、医療関係の出版社などを経て2014年に独立。外食を中心に取材活動を行い、2019年7月からは「月刊飲食店経営」の副編集長を務める。「ガイアの夜明け」に出演するなどフードジャーナリストとしての活動の幅を広げ、これまでインタビューした経営者の数は 500 名以上、外食だけでも200名近くに及ぶ。

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