コロナ禍で消えた「夜パフェ」に《第2次ブーム》の気配、盛り上がり方が第1次と"ひと味違う"決定的理由
商品の価格帯は700円前後がボリュームゾーンで、商品のサイズやクオリティーを鑑みるとかなりリーズナブルだ。Parfaiteria beLの商品は2000円前後がボリュームゾーンであることを考えると、その安さがわかるのではないだろうか。

ここ数年、スーパーやコンビニで売っているアイスの高価格化が進む。そうした背景もあり、「アイスは別腹」のコストパフォーマンスの良さが際立ち、わざわざ来店して買って帰る人が多い。なかには家族連れの姿もあるというから驚きだ。
以前は「夜パフェ」といえば、お酒や食事を楽しんだ後にパフェを食べる「シメパフェ」が主流だった。しかし、客層が広がり、リーズナブルな価格を実現した結果、純粋にアイスを楽しむ「夜パフェ」の専門店として成立するまでになったのだ。
商品目当てで来店する客が多い理由は、人件費と家賃を抑え、その分、食材にコストをかけられることが一因だろう。「アイスは別腹」はテイクアウト専門店のため、5〜10坪で出店ができ、スタッフも少人数で営業ができる。商品をつくる工程も簡略化されているため、新人でも1週間もあればできるようになるなど、教育コストもそれほどかからない。
同店の運営を手がける遠藤商会の担当者は、店舗の運営のしやすさについてこのように話す。
「『アイスは別腹』はインスタグラムをはじめとしたSNSで集客ができるので、通常の飲食店のようにグルメサイトに掲載しなくても集客ができます。その分、掲載費用や送客手数料といったコストもかからないので、非常に大きなメリットだと感じています。当店の場合、ディープなエリアにあるにもかかわらず初日は行列ができ、1日で700弱用意したパフェが完売しました。3月のオープンだったのですが、寒い日や雨の日でも集客ができているので、売り上げも比較的安定しています。アルバイトの募集についても、人手不足の中、非常に好調です。パフェ専門店自体の人気もあり、SNSや無料媒体で採用ができています」
イートイン店舗で起きた客層拡大のナゼ
「VIGO」も人件費と家賃を抑えて、以前のブームでは考えられなかった立地で成功をしている。例えば、「パフェバー&VIGO 柏店」は柏駅前の繁華街にはない。柏駅は東口にマルイや大きな商店街がある一方、西口には百貨店の高島屋があり、それぞれの周辺には居酒屋などの飲食店が軒を連ねている。
しかし、「VIGO」が店を構えるのは南口で、どちらかというと住宅立地に近い。それでも営業ができているのは、「アイスは別腹」と同じく目的来店で集客できているからだ。
「VIGO」は、店名にパフェバーと入っているとおり、ただの夜パフェ専門店ではなく、バーとしての一面も持つ。実際、甘いものが苦手な人も楽しめるように、ワインやウイスキーはもちろん、カクテルの提案にも力を注ぐ。その効果もあって、同店も「アイスは別腹」と同じく客層が広く、男性の一人客が来店するケースもある。
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